三重県と和歌山県の境目を流れる熊野川.熊野本宮大社に近い「道の駅瀞峡街道熊野川内」に併設されている川舟センターから,新宮近くまで下ります.
かつては高貴な人にのみ許された舟による熊野参拝が体験できます.コースは約16kmあり,おおよそ1時間半かかります.
当日は風が強く,時折雨も降る生憎の天気でしたが,水量は十分で安心して下ることができました.なお,かつて舟で新宮を目指した方々も,神託で決められた参拝日は絶対だったそうで,荒天でも下っていたそうです.
集合場所に行ってみると,欧米系外国人の方を含めかなりの賑わいでした.こんなに乗れるのかな?と思ったところ,2艘で下るとのことでした.私たちは「熊野」の旗を掲げた舟に乗り込みました(写真はもう1艘の「神倉」).
舟乗り場を出てすぐのところに瀬がありますが,基本的に川幅は広く雄大な景色が広がります.
船頭さんのほかに語り部の方が乗り込み,見どころや歴史を解説してくれます.
途中,滝を見たり
岩を見たり
石切り場や段々畑を見たり
しながら下っていきます.
流域は2011年水害の爪痕がまだ残っており,以前は上陸できた島(岩)も周囲の砂が流されてしまい,現在は接岸できないとのことでした.
少々距離は長いものの,舟は船外機付きで結構とばします.
旅も終わりに近づき,語り部の方が横笛を吹いてくださったとき・・・切り立った岩肌に何か動くものを見つけました.よく見るとニホンカモシカです!
下手な写真で恐縮ですが・・・そのときは妻と「へーカモシカいるんだ」などと言っていましたが,出会えるのはかなりの幸運とのこと.その後,ボラ(魚)のジャンプも見ることができ,満足な心もちで舟を下りました.
熊野川は水害に悩まされることが多く,道の駅も2011年水害で一度流失したとのこと.地域にお住まいの皆さまの安全と,末永い舟下りの実施をお祈りいたします.