2012年11月14日水曜日

北イタリアの街中で運転

レンタカーを何度か借りてみて,なんとなく(北)イタリアでの運転について分かってきたような気分になってきました.



当初,イタリア人の運転は荒いのではないか?街中を運転するのはタイヘンなのではないか?とビビっていましたが,関西出身の日本人によると「大阪よりだいぶマシ」とのこと.南イタリアは別の国らしいですが・・・

実際,ヴィチェンツァ・パドヴァの運転マナーはかなり良いと感じます.ただし,街中には知っておくべきルールが沢山あります.これらに気を付けさえすれば,日本の大都市で車を運転していた人なら問題なく運転できると思います.AT車の確保は難しいですが・・・

(1)一方通行
欧州の旧市街は道幅が狭かったり,駐車スペースを確保する必要があったり,はたまた景観や雰囲気維持のため,一方通行が非常に多いです.むしろ,双方向の車線がある道路を「大通り」と受け止めるべきでしょう.そのため,すぐ近くの目的地まで行くのに大回りしなくてはならないことも頻繁にあります.でも大丈夫.Google Mapのナビ機能はかなり正確にルート案内してくれますので,スマートフォンで確認してから出かければ良いのです.

(2)バスレーン
旧市街では,公共交通が優先されており,バスやタクシー,トラムしか進入できないレーンが多数あります.これらのレーンには両側に太い黄線が引かれており,路面のところどころに BUS TAXI と記載されています.昼間はまず間違うことはないのですが,雨の夜間などは路面のテカリで良く分からないことがあります.なぜか他の車が進入しない交差点出路はちょっと注意したほうが良いでしょう.


右側はバスレーンになっていて,一般車は走行できません.つまり,一般車にとっては一方通行,バスやタクシーは双方向通行が可能,という仕組みです.一般車は遠回りする必要がありますが,そのおかげで公共交通の運行と駐車区画が確保されているわけで,なかなか合理的だと思います.


(3)ZTL
Zona Traffico Limitatoの略で,要は一般車進入禁止区域です.ビチェンツァ・パドヴァにも多数設定されており,多くは旧市街中心部にあります.石畳の道はZTLになっている可能性が高いような・・・赤丸に白抜きの標識で必ず表示されているので,不注意で進入しないように.一方通行やバスレーンと同じく,ビデオカメラで監視されていて,違反すると後日反則金の振込用紙が送られてくるそうです.

ZTLを警告する看板.直進するとZTLですよ.


(4)歩行者に注意
欧州での歩行者優先は徹底しています.信号がない横断歩道に歩行者がいたら,迷わず停止しなくてはいけません.歩行者の側は「当然の権利」と考えて横断してきます.それどころか,歩行者用信号が赤でも渡ってくる人もいますので,街中では常に注意が必要です.

自分が歩行者になったときは,逆にいつでも渡っていいはず・・・なのですが,日本の感覚でどうも遠慮してしまいます.

(5)駐車場所
イタリアにも日本のような駐車場ビルや地下駐車場があります.しかし,よく目につくのは路肩にある駐車スペースです.この駐車スペースには,大きく分けて白枠,青枠,黄枠があります.
白枠は無料で駐車可能.ただし,旧市街中心部にはほぼありません.

青枠は有料駐車スペース.近くにあるチケットベンダーでパーキングチケットを購入し,車のフロントガラスのよく見える場所に提示することで駐車が可能になります.駐車料金は場所によって異なり,旧市街中心部に近づくほど高くなります.パドヴァの旧市街でおよそ2ユーロ/時間ぐらいです.

こんな縦列駐車が一般的.ビチェンツァやパドヴァではちゃんと間隔をあけて停まっていますが,ミラノではビッチリ車が詰まっていました.「フランス式縦列駐車」をしているんでしょう,きっと.


日本と違うのは,(制限が記載されている場合を除き)お金を払えば停めたいだけ停めて良い,ということ.最も,多くのパーキングチケットマシンはコインしか受け付けませんので,大量のコインを用意しておく必要がありますが.

黄枠は住民や作業車用のスペースですので,ヨソモノが駐車してはいけません.
これら以外の場所に停めるのは,当然駐車違反です.ヴィチェンンツァではあまり見かけませんが,パドヴァは大都市だけあって結構適当なようです.

2012年11月11日日曜日

ミラノに行ってきました

講演会に参加するため,ミラノに行ってきました.

パドヴァから直通特急で2時間ほどで,北イタリアの大都会,ミラノに着きます.荘厳なミラノ中央駅から出ると,大都市.ヴィチェンツァ・パドヴァ・ベネチアなどと比べると,ミラノは本当に大都市です.高い建物が並び,ちょっと緊張します.

講演会自体は,郊外にあるRHO Fieraというイタリア版ビッグサイトみたいなところで開催されたので,ミラノ市街に出たのはそれほど長時間ではないのですが,車と人の多さにビックリします.

意外だったのは,ミラノにはまだたくさんのトラム(路面電車)が走っていたこと.有名なドゥオーモを中心に,バス・地下鉄と協調しながら郊外へ路線が伸びています.ミラノの公共交通機関は,共通の一日券4.5ユーロで乗り放題になります.トラムの車窓を眺めながら,あちこち移動するのはなかなか楽しい体験です.バスと違って停留所がはっきりしているので,安心して移動できるのが良いですね.


パドヴァやビチェンツァではなかなかお目にかかれない日本人観光客の団体もみかけました.ミラノは大都市なので,スリなどに対して緊張していましたから,日本人観光客がいると少し安心します.実際にはトラブルは何もなかったのですが.

レストランも多種多様に揃っているのですが,やはり物価は高い印象が強いです.ヴィチェンツァからパドヴァに来たときも,少し高いな,と思ったのですが,ミラノはさらに高い.まあ,大都市はどこもそうなのでしょう.

それなりに楽しかったのですが,一つだけ後味の悪い体験がありました.パドヴァに帰る際,ミラノ中央駅で列車の切符を買うときのこと.中央駅東側から駅に入ってすぐのところに,列車の切符「も」売る窓口があったので,そこで切符を頼んだのですが,その窓口は単なる旅行代理店で,手数料を7%(5ユーロ)も取られました.手数料の説明など事前になく,私はFSの窓口だとばかり思っていたので面喰いました.少し進めば自動券売機やFSの窓口もありますので,皆様は無駄な支出をなさらないよう,ご用心下さい.