2012年12月25日火曜日

イタリア鉄道にやられる

クリスマス(降臨祭)のシーズンはみんな浮き足立っています.私たちもあちこちお呼ばれして移動するのですが,連発でイタリア鉄道にやられてしまいました.突然の列車キャンセル.

部分ストなのか間引き運転なのかは分かりませんが,ネット等で調べると何の異常情報も無いのに,駅に行ってみると「CANCELED」もしくは「SOPP」と表示されていて,列車は来ません.

まあ,次の列車は来るのですが・・・1時間後とかなんですよね.

見難いけど,一番上の列車にSOPPの表示.

パドヴァからビチェンツァに向かったときは,予定の列車がCANCELED.次に来た列車は,なんと2両編成のディーゼルカー.完全なローカル線仕様.普通この区間には,4両編成の2階建て車両かそれ以上の列車が来るのですが.近くにいたイタリア人おばさんにも「これビチェンツァ行き?」って聞かれました.我々が聞きたいですよ.結局,お客さんを満載してノロノロとヴィチェンツァに向かったのでした.
かわいいディーゼルカー...って,目を疑ったよ,幹線で君に会うなんて.



翌日,今度はパドヴァとメストレの間にある小駅へ行き,友人宅で過ごした帰り.寒い駅で待たないように,列車時刻に合わせて駅に送ってもらったのに・・・案内表示に「SOPP」の文字.「Delay」の項目にこれが表示されていたので,当初は意味が分からず「霧だから徐行,とかかな?」と思っていたのですが,待てど暮らせど列車は来ず.結局1時間待って,次の列車に乗ることに.
列車をキャンセルするのはいいから,Web時刻表等にちゃんと載せてくれ!


寒い霧の駅で1時間待ち.

2012年12月19日水曜日

お祝いのリボン

北イタリアでは,何かお祝いごとがあると,家の扉や門,車などにリボンをつけてそれを表すのだそうです.

内容によって色が決まっているそうで,白が「結婚」,水色が「男の子の誕生」,ピンクが「女の子の誕生」,そして赤色が「大学卒業」なのだそうです.

慶事を堂々とアピールできる,なかなか便利な方法ですね.大学卒業がそこに入っているのが日本の感覚とは違いますが,こちらの大学は卒業時期が一定ではありませんし,小学校から留年させるお国柄なので,注目すべきお祝いなのでしょう.

2012年12月6日木曜日

滞在許可証(2)

滞在許可証 Permesso di Soggiorno

・受取

指紋採取からキッカリ40日後,許可証の受取日時がSMSにて通知されました.しかし困ったことに,その日は仕事で出張.受取には本人が行く必要があるので,受取日を変更する必要に迫られました.

電話で問い合わせてもらうと,受取日の変更をするためにもQuesturaに行く必要があるとのこと.全く面倒ですが仕方なく,Questuraの相談窓口に並んで新しい予約をもらいました.そしてもう一度,その予約日時にQuesturaへ出かけて,ようやく滞在許可証を受け取ることができました.なお,受取時には,窓口に置かれている指紋スキャナで何やら行いましたので,やはり本人が行く必要があるようです.

結論として,私の場合申請から5か月弱で発給となりました.企業や大学など,Questuraとコネクションがある場合はもっと早くしてもらえる場合もあるようですが,郵送した申請書は一括してローマの事務局へ送られるようなので,極端な短縮は期待できないかもしれません.

私の場合,時間こそかかりましたが,特段手続きで問題が生じることはありませんでした.先生にしきりと言われたのは「とにかく違法状態にならないようにすること」.滞在許可を申請すると受領書が貰えるのですが,許可証の発給を受けるまではこれが証明書の代わりになります.発給まで待たされたり,追加書類を要求されたりしても,とにかく違法状態でない状態をキープするのが大切,とのことでした.

いまのところ,警察に証明書の提示を求められるような状況は全くありませんが・・・

なお,渡航前にいくつか気になる点がありましたので,当方の事例を紹介します.あくまで一例とお考えください.

・直接イタリアへフライトするのではなく,シェンゲン条約国を経由しても良いか
→問題なし.ビザ申請書にも正直に書いた(フランクフルト)が不問.ただし,パスポートには入域国のスタンプしか押されないので,そこから滞在許可証の申請までに時間が空いてしまうと「イタリアへの入国日を証明する書類を出せ」と言われるらしい.

・ビザ発効後○○日以内に入国せよ,といった制限はあるか
→先生にも確認していただきましたが,無いようです.尤も,私自身は正確に渡航開始日をビザ発効日として申請していました.一方,同じ条件でビザ発給を受けた私の家族は,私から遅れて2か月後に入国しましたが,特段問題はありませんでした.

・許可証発行前に日本に一時帰国して良いか
→Multi-entryのビザならOK(窓口の係官に先生が確認).また,シェンゲン条約国に旅行する分には,パスポートコントロール自体が無いので,問題は起きようがないと思われます.当方が頂いたビザは,有効期限内の60日までシェンゲン条約国に滞在できる,と明記されていました.

2012年12月5日水曜日

滞在許可証(1)

滞在許可証 Permesso di Soggiorno

・申請
イタリアに到着した外国人は,8日以内に滞在許可を申請する必要があります.ビザがあるのに?と思うのですが,ビザは入国を許可する書類に過ぎず,滞在についてはまた許可が必要なのだそうです.日本でも「外国人登録証」の制度がありますが,これは「登録証」でははくて「許可証」でして,イタリア滞在時の不愉快や不安の代表選手です.

郵便局に行くと,この申請キットを無料でくれますので,必要事項を記入の上,印紙を貼り,手数料を納めて郵送にて申請します.このあたりは,ネットで検索すれば多数の事例がヒットすると思います.手順に従って粛々と行うまで,なのですが,やはり係員とのやり取りがありますので,イタリア語・イタリア事情に通じた方の手助けが望ましいです.

申請書が郵便局で受領されると,面接日時を知らされます.Questura(クェストゥーラ)という警察の市民窓口に出頭し,ある種の面談をする必要があるのです.私の場合,夏休みシーズンを挟んだこともありますが,面接日は申請から3か月近く後でした.つまり,この時点で3か月以内に許可証が貰える可能性はゼロ,ということです.

・面談と指紋採取
面談では何をするのか?正直よくわかりません.同様な立場の友人に聞くと,とにかく経済的な保証についてしつこく確認され,いくつか面接窓口で追加資料を提出した,などということでした.

産業集積地であるヴィチェンツァは不法就労に神経質かもしれない,おまえは中国人に見えるから,何とかして日本人らしさを出さないと,などと先生と相談し,暑い夏の盛りにネクタイ+スーツで出頭する,という作戦に出ました.ちなみに,街中でスーツ姿の人を見るのは非常に稀です.

これが良かったのか悪かったのか・・・私の場合は,窓口にて「パスポート出して」「(指定の)写真出して」で終了.絶大な信用を誇る日本のパスポートもQuesturaの前では無力,といった話も聞いていただけにホっとしました.

その後は場所を変えて指紋採取・身長計測・書類にサインして,手続きは終了.携帯電話の番号を連絡しておくと,40日以内にSMSにて受取日を連絡してくれます.

ビザの取得

ビザの取得

ビザの取得は,東京のイタリア大使館か大阪の総領事館に持参して申請することになります.申請書はPDF形式で大使館のwebページからダウンロードできます.記入欄が小さいので,私はAdobe Acrobatで申請書を作成しました.当然ながら「相手は日本語を解さない」という前提で,英語もしくはイタリア語で作成する必要があります.

申請にあたっては,記入要領に指示された書類を持参することになります.ここで当方が感じたことは「できる限りの書類を持っていった方が良い」ということです.例えばサバチカルでの滞在の場合,現在の勤務先での在籍証明書や給与証明書,サバチカルの証明書なども,明記されてはいませんが持っていく必要があります.なんだかメンドクサイな,できるだけ少ない書類で済ませたいな,と思われるかもしれませんが,これが逆です.

大使館に書類を提出すると,大使館が保管する分を除き,大使館のスタンプと係官のサインをして返してくれます.これはつまり,大使館が証明した書類となり,各種証明に対する正統な原本と扱われます.考えてみれば,日本の大学名や学部長のサイン程度では,それが正当なものかどうかイタリアの係官がその正当性を調べることはかなり難しいでしょう.

なお,住民票などの日本語による公的書類をイタリア語へ翻訳のうえ,大使館による認証を得てくれる翻訳サービスもあるようです.私も家族との関係を証明するために住民票の翻訳・証明をお願いしましたが,2万円以上かかりました.

また,ビザ発給待ちの間は,パスポートを大使館に預けることになります.目安として1ヶ月と言われていますので(実際はもっと早く発給していただけるようですが),この間に海外出張等が無いようにスケジュールを調整しておく必要があります.

我が家の場合,幸いにして手続きは極めてスムーズに進み,全員に就学ビザを発給していただきました.

イタリア滞在の手続き

・はじめに

イタリアに3か月以上滞在する,あるいは学校に通う,業務に携わる場合には,決められた手続きをする必要があります.

(1) ビザの取得:日本の大使館に申請
(2) 滞在許可証の取得:現地で申請

企業の任務で来られる方は,基本的に担当部署が対処してくれると思われますが,私は一種の留学としてやってきたため,手続きは自分(&受け入れ先の先生)で行いました.おそらく,イタリア留学・滞在をお考えの方にとって,滞在許可証(Permesso di Soggiorno)の取得が最も気になることではないでしょうか.

ここでは,滞在許可手続きなどについて,私の事例について,私見を交えつつご紹介したいと思います.

なお,イタリアでも移民のコントロールは重大な問題であるため,法律がしばしば変わります.また,係官は一定の裁量権を持っており,その判断や指示は画一的ではない可能性が大いにあります.ぜひ最新の公式情報をご収集の上,手続きに臨まれるようお願いします.

2012年12月2日日曜日

量り売り

北イタリアの街に住んで,当然ながら日々の食材などを買い物に行くのですが,こちらでは殆どのものが量り売りになっています.

例えば,野菜や果物もすべて重量単価で価格が表示されています.買い物客は,ビニール袋に欲しい野菜を入れたら計量台に行き,品物につけられた番号を入力します.すると,計量された重量に単価を掛けたラベルシールが印刷されて出てくるので,これをビニール袋に貼り付けてレジへ持っていく,といいうシステムになっています.

このシステムがあるので,大きいトマトは大きいなりの,小さいトマトは小さいなりの値段になって公平だ,ということのようです.日本のスーパーでも,肉などは内容重量に応じてパックに価格が表示されているようですが,こちらでチーズでも魚でも全てそう.徹底しています.