2016年12月29日木曜日

Nikon S用 35mmで撮ってみる

W-NIKKOR C 1:2.5 f=3.5cm.Nikon Sマウント用の広角レンズです.

35mmの焦点距離はAPS-Cセンサーのカメラにとって35mm換算で約53mm相当の画角となりますので,いわゆる標準レンズ相当と言われています.

このニコンSマウント用の35mmも非常にコンパクトで,常用に期待がかかります.このレンズもマウントアダプタの内爪用ヘリコイドと嵌合するのですが,レンズ側のフォーカスリングは非常に軽く回るので,10.5cmのように重くはなりません.

このレンズの絞りは先端からわずかに顔を出している筒状の部分(端部がギザギザに加工されている)を回して行うのですが,指をかけにくく操作は非常に面倒です.

今回はフードをしっかり捻じ込んだので,フードをつまんで絞り値を楽に操作できました.やはりフードは必需品ですね.


このレンズもレンジファインダー用の常で寄れません.そのため,テーブルの上の料理を撮るような目的には全く向いていません.でも,ある程度被写体と距離をとって撮影する割にはよくボケも出るように思います.今回は室内でF2.8,屋外でF5.6~日向でF11ぐらいで撮影しました.

焦点距離が短いこともあり,被写界深度は深いと思うのですが,その分EVFではピントが合っているように思えてもPCで見るとイマイチだったりします.縮小してしまえばそれなり・・・と思うのですが,腕を嘆くことしきりです.

2016年12月24日土曜日

3ピースのレンズフード

Nikkor LENS HOOD, 43mm. 箱に書いてあったのはそれだけです.

譲り受けたニコンS一式の中にこのフードも含まれていました.カメラ代金を計算した手書きメモにフードも記されていたので,ボディと同じく1955年10月に購入されたものだと思います.

少しくたびれた革ケースに収められていたのは,ステップアップリング状のアダプターリング,真っ直ぐな筒状のフード,そしてアダプターリングインサートというフィルタ押さえ,の3ピースでした.

あっさりした説明書も入っていましたので見てみると,フードとフィルタ取り付け枠を兼ねた製品だったようです.図解によると,フードとアダプターリングインサートは同時に使わないようなのですが,フード先端にもネジ溝が切ってあり,アダプターリングインサートを飾り枠のように取り付けることもできます.ただ,28mmレンズではケラレるかも,と書かれているぐらいなので,余計なものは付けるべきではないのでしょう.

ちょっと困ったのはキャップについてです.当方が譲り受けたレンズのキャップは全て左右からつまむような形なので,フードを付けてしまうと事実上取り付けられません.それならフード先端のネジ溝に,と思ったのですが,この直径が微妙なサイズなのです.52mmかな,と思ってPENTAXのレンズキャップをあてがってみたものの安定せず.もう少し大きいような感じなのですが,52.5mmとか53mmのキャップってあるんでしょうかね?

当面,フード装着時のキャップは諦めて,43mm径の保護フィルタを挟んで持ち出すことにしました.ちょうどAmazonで銀枠のKenko製が安く出ていて助かりました.

3ピースから成るフード.ニコンS用レンズには円錐型のフードが組み合わされる例をネット上でよく目にしますが,このフードはごく単純な円筒形です.内部は反射防止塗装がなされています.外周は何の刻印もありません.箱や説明書がなければ「ホントに純正品?」と疑われそう.
説明書も残っていました.43mm, 40.5mm, 34.5mm用フードの兼用ですね.アダプターリングを変えればそれぞれに対応できるのでしょうけど,微妙な径が並んでいる気も・・・フィルタとフードの両方を使いたいときにアダプターリングインサートは付けるな,口径食の原因になるぞ,と明記されていますね.

2016年12月19日月曜日

Nikon S用 105mmで撮ってみる

NIKKOR-P・C 1:2.0 f=10.5cm.Nikon S2用の望遠レンズです.

いつ購入されたものかは正確には分かりませんが,これも60年近くを経ているはずです.単焦点ゆえか,105mmで開放F値2.5というのはズームレンズにはなかなか無い明るさですね.開口部が大きい見た目(5.0cmがフィルタ径43mmなのに対して52mm)も期待感を抱かせます.

肉厚なレンズが使われているそうで,手に持つとズッシリきます.外爪とはいえ,細いNikon Sマウントで大丈夫かな(正確にはAmedeoのマウントアダプタですが)と思ってしまいますが,カチンと止まって特段のぐらつきはありません.このレンズも絞り羽が綺麗です.

このレンズに限らず,Nikon Sのレンズは絞りリングのほうが前方にあり,フォーカスリングがボディ側に来ます.PENTAXレンズは逆だったので,つい先端のほうのリングを動かしてしまいます.ちょっとイラッとします・・・

距離計連動機構の名残か,外爪レンズでもマウントアダプタのヘリコイドと嵌合するようになっており,フォーカスリングの回転がかなり重くなります.ま,ピントがずれにくくていいや,と思うことにします.


最初に街並みを撮って無限遠を確認してみたところ,フォーカスリングを回し切ったところから僅かに戻したところで鮮明な像が得られました.望遠なので当然ですが,このレンズも寄れません.公園では鳥たちを撮ってみたのですが,35mm換算160mm弱ですと今一つ小さくしか写りません.スワンボートなら大きく撮れるのですが・・・当方の腕とセンスが足りないのでしょう.

天気がよい日で,シャッタースピードについてα6000から注意を受け,明るい場所ではF=16.0ぐらいまで絞りました.結構重いレンズを支え,重いヘリコイドを回してピントを探るのは,縦構図だとキツイですね(トリミングしてしまっていますが).でも,優しい色が出た,と自己満足していい気分で帰りました.

2016年12月9日金曜日

Nikon S用 50mmで撮ってみる

NIKKOR-S・C 1:1.4 f=5.0cm.Nikon S2の標準レンズとして取り付けられていたもの.

とても細くコンパクトなのに35mm版をカバーし開放F値は1.4と,なんだかワクワクするスペックです.広く知られたレンズのようで,Webを探すとマウントアダプタで楽しんでおられる方も多い様子.

当方もAmedeoのマウントアダプタが入手できたので,早速試してみました.

レンズを覗き込んで絞りリングを回すと,小さな絞り羽がたくさん出て来ます.このレンズの絞り羽は何と12枚.一眼レフと違い高速で絞りを開け閉めする必要がない(ピント合わせのために絞りを開放する必要がない)レンジファインダー用のレンズは絞り羽の設計自由度が大きいそうです.

なお,(Nikon Sの)マウント面より奥にもレンズは延びており,見た目の印象より長いレンズです.さすがにSONY Eマウントの奥へ入ることはありませんが,マウントアダプタの裏側から見ると一体化したような感じです.

Amedeoのマウントアダプタはカチンと気持ちよくa6000に嵌り,ピント調節用ヘリコイドの感触も良好です.この50mmレンズ自体にはピント調節機能がないのですが,絞り設定リングのほかにもリング状に滑り止めの溝が掘られており,これを持ってレンズ全体を回してピントを合わせます.露出しているレンズ長が短いので,ときどき誤って絞りリングを回してしまいます・・・


開放F値は1.4なのですが,絞り羽が綺麗なので,まずはF=2.8まで絞って持ち出してみました.明るい屋外では(自己満足レベルの)ピント合わせは容易です.ネットリとレンズを回しながらピーキング表示が移っていく様を見るのは楽しいですね.

室内および夜景では絞り開放にしてみました.噂通り,開放ではソフトレンズのような写りになります.それはそれで良いのですが,ピント合わせはかなり難しいな,というのが偽らざる感想です.絞り開放なら三脚は必須かな,と思います.


a6000はAPS機なので,イメージサークル(レンズが撮像面に像を結ぶ範囲)の中央部のみを見ているはずなのですが,それでも画面端部(トリミングしてしまっていますが)は甘めの写りに感じました.ただ,今回も無限遠がちょっと怪しいかな,と思えなくも無かったので,レンズの個体差やマウントアダプタとの相性などがあるのかもしれません.

それでも昭和30年のレンズをごく気軽に使えるのは,なんだか得したような気分になります.ただし,レンジファインダー用レンズなので「寄れません」.最低でも3フィート:約90㎝は被写体から離れる必要がありますので,小さなものを大きく写す用途には向かなそうです.

2016年12月4日日曜日

スタッドレスタイヤに履き替え

今年もスタッドレスタイヤに履き替えました.

群馬県・山梨県にいくことがあるので,冬はスタッドレスタイヤを履かせています.首都圏では11月に雪が降って驚きました.今年は雪が増えるのでしょうか.

自宅周辺で積雪があることはまずありませんから,比較的「堅い」と言われているミシュランのスタッドレスタイヤを選んでいます.それでも,夏タイヤと交換すると宙に浮いているような感触です.

ここ数年はディーラーやカー用品店には頼まず,自分で変えています.工賃が高いとかシーズンは混むから,といった理由もあるのですが,この機会に車の足回りを眺めるのも悪くないな,と思いっています.

以前,ドライブシャフトブーツが破けてホイールの内側が真っ黒になっていたことがありました.すぐに修理対応していただいたわけですが,それもホイールの内側を見る機会あってこそかな,と思います.


当方の動作が緩慢なせいもあるでしょうが,工具を準備し,交換用タイヤセットを並べ,作業後に外したタイヤセットを洗う,という一連の作業は2時間ほどかかります.

大したパワーもない車なのですが,タイヤサイズは大きめなので,組み付け時は腰をいためないよう慎重にやっています.

本当の冬になってしまうと寒くて手の感覚が鈍くなるので,毎年すこし早め,12月初旬の好天を選んで作業しています.

通常の洗車では手をつけないホイールの内側まで洗ってやると,なんだか良い気分です.午前中に作業を終えて,洗ったタイヤセットを半日陰干しして,タイヤラックに収めて終了です.

2016年12月2日金曜日

Amedeoのマウントアダプタ

ニコンSレンズ用のマウントアダプタを買いました.

驚きのベネズエラ製.Amedeo Adapter Japanで紹介されている加工ムービーを見ると,小型のCNCマシンで削り出しているようです.ツールチェンジのたびにガクンと揺れるのはご愛敬ですが「無いなら作ればいいじゃない」には感服します.

ライカMマウント用が主力製品のようですが,ありがたいことにSONY Eマウント用もラインナップされています.ロットに依存するのかもしれませんが,当方が購入したものは距離刻印等のないアッサリした外観でした.黒色もあるライカ用がちょっと羨ましい(でもアチラは高い).

肝心のアダプタ,裏面を見ると町工場的な印象も持ちますが,作りはしっかりカッチリしています.販売店で実際にレンズとボディへの装着を確認していただきましたが,ヘリコイドもネットリと回転し実にいい感じです(潤滑油の劣化が若干心配ですが).

ニコンS用(あるいはコンタックスRF用)マウントアダプタはヘリコイドを内蔵しているため概して高価なのですが,このAmedeoは私が調べた範囲では最も安価でした.良い買い物をした気分です.

内爪レンズ固定用の金具は,オリジナルの板バネではなくブロック状になっています.装着・利用に問題はありませんが,指で押すと若干ひっかかりを感じます. α6000に装着.当方がいただいたNikon Sレンズはシルバー基調なのでレンズと一体化する感じ.黒色があったらもっと良かったかも・・・
いわゆる外爪も備えていて,外爪レンズも装着できます.しっかりこだわって作られている,という印象です.出っ張りは着脱用の指がかりとのこと.


購入にあたって調べたこと

ニコンSレンズには本体との結合方式に内爪式と外爪式の2種類があります.外爪式のレンズは現代の交換レンズと同様にピント調節機構がレンズ側にあるのですが,内爪式の場合は本体側にそれがあり,レンズ単体ではピント調節ができません.そのため,ニコンSシリーズのボディは両者に対応するメカニズム,具体的には内爪レンズ用のピント調節機構と外爪レンズ用の嵌合部の両方を備えています.

外爪レンズ専用のマウントアダプタは嵌合用の爪があればよいのでシンプル・安価です.一方,内爪用のマウントアダプタはピント調節機構を備える必要があり,高価になります.

購買側の気持ちとしては,純正ボディと同様に両方の方式に対応したマウントアダプタがありがたいですし,実際にそのような機能を謳ったマウントアダプタも複数販売されています(上記のAmedeoもそうです).しかし,ネット上のレビューを慎重に調べると,両対応とされていても実質的に内爪にしか使えない,とコメントされたものが散見されます.

最初から内爪用・外爪用それぞれを購入するつもりなら良いのですが,両対応と思って買ったら一方しか使えない,ではガッカリなので,機能を確認できるお店で購入するのが良いと思います.さらに工作精度の問題もついてくるようで・・・もし通販で購入するとしても,返品などに対応してくれる大手を選んだ方が良さそうに思います.

なお,ソニーEマウントはフランジバックがかなり短いことを利用して,ニコンS→ライカM+ライカM→ソニーEと2重のアダプタを介して取り付ける例も多いようです.ライカMレンズをお持ちの方にとってはこの方法も良いのでしょう.ただ,ニコンSレンズを付けたいがためだけに2つのアダプタを購入するとなると,それなりに費用がかさみます.

2016年11月27日日曜日

スナップマークで撮ってみる

ボディはSONY,ファインダーはNikon,中華アダプタを介してPENTAXのレンズ.

岳父の Super-Takumar 28mm を持ち出して撮影してみました.

一般にレンズは焦点距離が小さくなるほど,絞りを閉めるほど被写界深度が深くなります.被写界深度が十分に深くなる(あるいは撮影者が諦める?)とパンフォーカスになるわけですね.

使った Super-Takumar 28mm ではf=8.0と距離3mが赤字になっており,これを赤いマークに合わせる(設定する)とおおよそ1.5m~∞でピントが合う,いわゆるスナップマークがついています.ピント合わせ不要,というマニュアルフォーカス時代の便利機能ですね.

これを前提にニコンS2用ビューファインダーを付けてみました.光学ファインダーを覗くだけで撮影できるんじゃないか,という目論見です.EVFが嫌いなわけじゃないんですが,せっかくビューファインダーがあるので・・・2つのレンズが目標を見定めているなんて,なんだかステキ!

手許のビューファインダーは可変型,つまり焦点距離に応じて視野が変えられるタイプです.また,撮影対象との距離に応じて撮像部との視線角度のズレが変わりますので,シュー根元のレバーでファインダーの角度を変えられるようになっています.芸が細かい,と思うと同時に,ファインダーを適切に設定した上で構図を確認し,それから本体のファインダーでピントを合わせ,シャッターを切る,という動作をこなす必要がある昔のレンジファインダーカメラは大変だなあ,と思った次第です.


早速,スナップマークで撮ってみました.

技術とセンスの無さはとりあえず置いておいて写真を見てみますと,どうも遠景がシャッキリしません.おおよそ同じ敷地内にあるような物はハッキリ写っていますので,人物や物を撮るうえでスナップマークは有効だと思いますが,風景には向かないのかな.

もしかすると,マウントアダプターやレンズの個体差で無限遠にうまくピントが合わないのかもしれません.Super-TakumarのマウントはM42ネジなので,捻じ込み具合が甘いとかそいういうことがあるかも・・・ピントリングと絞りリングに挟まれて,レンズ本体の掴みどころが無いんですよね,この28mm.

2016年11月24日木曜日

α6000で撮ってみる

新しいシステムカメラが来たので,大喜びで被写体探し.

で,使うのはPENTAXレンズです.

多くのPENTAXユーザーと同じく,当方もFA43mmがお気に入り.35mm換算で65mmぐらいになります.

マウントアダプタを介してα6000に取り付けるので,当然ながらマニュアルフォーカス(MF)になります.ミラーレスカメラはいろいろなMFアシスト機能を持っているので,ピント合わせにさほど苦労することはありません.プログラムモードにしておけば,露出設定とピント合わせ以外は全て自動でカメラが何とかしてくれます.ISO感度も自動ですし.

ただ,手ぶれ補正機能が無いので,落ち着いて構える必要があります.

絞り開放付近で何枚か撮影してみました.FA43mmっぽい不完全さとSONYらしいドライな色で,ちょっと不思議な感じかも.自然物を撮ると,また印象が変わるのかもしれません.


こうして自己満足的に撮影していると,本来の画角43mmではどんな像が見えるのかな・・・などととりとめのない妄想をしてしまいます.これがα7の需要を喚起しているのか!

2016年11月19日土曜日

α6000のお迎えにあたって

さて,これまでレンズ交換式カメラはPENTAXしか知らない当方にとって,α6000をお迎えするのは文化の違いを受け入れることに相違ありません.まずは準備をば・・・というわけで早速アマゾンから3点の荷物が届きました.

1つ目はシューカバー.ソニーのホットシューは何やら繊細な端子が入っているのですが,α6000独自の特色として剥き出しです.これはソニー一族でも唯一とか.

純正品がソニーストアで買えますが,1000円近くします.Amazonでは激安の水準器付きシューカバーが人気の様子でしたが,α6000は上面フラットなデザインが自慢とのことだったので地味なものを選びました.「ソニーマルチインターフェースシュー用」と明記されていて391円.これでも高いですよね.

2つ目,ボディキャップ&レンズリアキャップ.レンズキットの場合,最初から標準ズームがセットされた状態で梱包されています.きっと動作確認してそのまま詰めているのでしょう.レンズリアキャップを使いまわすのもなんだか侘しいので,セットになっているキャップを買いました.

中国から海を渡って直行してくる激安品もあるようなのですが,日数がかかるとのことだったので少々贅沢しました.きっと中身は同じでしょう・・・箱入りで550円.ロゴなし.純正品はそれぞれ1000円弱するようです.

3つ目,マウントアダプタ.どの程度活用するかは別にして,これまでのペンタレンズがなんとなく勿体ないので,マウントアダプタを買ってみました.α6000の高速AFをガン無視の態度です・・・

マウントアダプタは高いの安いのいろいろありますが,比較的安めのものを選んでしまいました.でも,梱包はしっかりしていて箱もカッコイイ.使い心地はこれから検証です.1899円.

正直,シューカバーとボディキャップ&リアキャップは最初から入れといてほしいです.ペンタックスの場合,レンズキットは単にボディとレンズを同じ箱に詰めただけだったのですが,ソニーはわざわざ梱包も変えてくるんですね・・・

2016年11月18日金曜日

イタリア大使館別荘記念公園

中禅寺湖のイタリア大使館別荘記念公園に行ってみました.

中禅寺湖には複数の外国大使別荘があったそうで,避暑地として非常ににぎわったそうです.いまではイギリス大使館別荘とイタリア大使館別荘が記念公園となって公開されています.なお,フランス大使館の別荘は現役です.

イタリア大使館の別荘は木造の建物なのですが,外装・内装とも非常に凝った造りになっています.壁面が木目(木の皮)を生かした市松模様になっていて,和風建築っぽいのに洋風建築の趣もある,という不思議な魅力を持っています.

目の前に広がる中禅寺湖の風景に目を奪われますが,内装も天井まで抜かりなくデザインされていて,さすがイタリアと感じさせます.一部,復元された部分との差が大きくてちょっと痛々しい・・・

現在は栃木県の所有となっているそうで,端部のカフェスペースではコーヒーとお菓子をいただくこともできます.

贅沢なことに,中禅寺湖畔には専用の桟橋があり,ヨット等で別荘へ乗り付けることができます.中禅寺湖の水は驚くほど澄んでいて,今が秋であることを一瞬忘れるほどです.

中禅寺湖金谷ホテルが湖の北側,つまり南面が開けたところに建っているのに対し,各国の別荘は湖の南側に建っています.あくまで夏の建物であるところに,さらなる贅を感じます.

2016年11月17日木曜日

いまさらだけどα6000



レンズ交換式カメラを買いました.いまさらだけどミラーレスのα6000です.

いままでPENTAX K-mを使っていたのですが,最近とみにAFの弱さが気になるようになりました.元からイマイチであったところに経年劣化が入り,かつ周りの新型デジカメの機能向上が著しいので余計にそう感じるのでしょう.

そのまま最新のK-1に行けたらいいのですが,さすがに高価ですし大きく重い.突然やってきた旧レンズたちの母艦も欲しくて,フランジバックの短いミラーレス機にした,というわけなのです.


(以下,自己満足的機種選定)

購入にあたって,慣れ親しんだAPS-C機にすることは決めていました.その他,持ち上げて写真を撮ることがあるので液晶が下向きにチルトしてほしいし,ファインダ(EVF)があると安心です.

フルサイズ(35mm版)も取り揃えるSONYが筆頭候補だったのですが,独自イメージセンサでいい絵を出すというフジにも心が惹かれました.

フジで「ちょっといいな」と思ったのはX-M1という機種.件のイメージセンサを搭載して一番安いのです.チルト液晶はちゃんと下を向くし.でもEVFなし,手ぶれ補正なしか・・・と思う間もなく既に廃版とのこと.後継機はX-T10,とはAmazon先生の弁.

このX-T10,確かに魅力的です.高性能なEVFを内蔵している上に液晶もチルトする.露出補正ダイヤルが便利そう.値段は少し高い.ただ,あちこちにボタンやダイヤルがついていて,古典的な一眼っぽい外観も含め「真面目に撮れよ」と言われているようで,なんというか性に合いません.

そういうわけで,お気軽・安価なα6000,ダブルズームキットを選びました.

RX100M3と大きさ比べ.これでほぼ同じ35mm換算画角.α6000+キットレンズだとびっくりすぐらい軽いです.コネクタカバーが「パチーン」と開くのが何気に気持ちいい.もう一本の付属レンズ,55-210mmはとても軽く持ち運びは楽です.RX100M3は望遠がかなり控えめなので,このレンズが補ってくれることを期待しています.

2016年11月16日水曜日

Nikon S2のこと

レンジファインダーカメラ,Nikon S2も当方の手許にやってきました.

ライカM3をライバルとして1954年に発表されたこのカメラは,PENTAX SPよりも1時代古いもので,岳父のさらに父君が購入されたもの.

レンズ交換式のレンジファインダーカメラに触れること自体がほぼ初めての当方にとって,非常に新鮮なメカです.

このころのカメラは貴重品だったのか,レンズやフードなど付属品のほとんどは革製のケースに収められています.なんというか,カッコイイ.

このNikon S2もヒット製品らしく,骨董品としての価値はあまり無いかもしれませんが昭和30年ごろの空気を今に伝えてくれるものだと思います.

ファインダーを覗いてピントリングを回していくと,2重の像が重なっていくのが見えます.たしかにピント合わせはできますが,非常に重たいカメラを構えつつジワジワとピンと合わせをするのは大変な作業ですね.

さらにファインダーに描かれた,撮像範囲を示す枠は標準レンズ用ですから,広角・望遠レンズに交換したときは外付けファインダーで視野を確認する必要があります.外付けファインダーで構図を確認して,ファインダーを覗いてピントを合わせ,ようやくシャッターを押す.大変だ・・・

カメラ本体は,スローシャッターの調子が悪いのですが,そのほかの部分は大丈夫な様子.こちらも整備に出してみようかな.

箱の中には領収書や保証書が収められていました.このNikon S2は1955年(昭和30年)10月4日に購入されたことが分かります.保証書のシリアルナンバーは今もニコンに記録されているのでしょうか?ボディ+標準レンズで57,465円と記されていました.

2016年11月12日土曜日

PENTAX SPのこと

岳父は写真部だったと聞いています.

当然のように,東京オリンピック時代のベストセラー,Asahi PENTAX SPも遺されたカメラに含まれていました.

昭和30年代の終わり,1960年代.日本全体が若々しく,日々成長していた良き時代のカメラですね.

既に50年以上経過しており,カメラ本体は「典型的な故障状態」,つまりミラーがアップしたまま戻らず,露出計用電池ぶたは液漏れ腐食で固着,という状態.修理してくれるお店はまだあるようなので,そのうち出してみようかな.

付属の50mm f1.4レンズの他,28mm f3.5と135mm f3.5も揃っています.どれもM42マウント,つまり大きなネジのようにレンズを本体へ捻じ込むシンプルなシステムです.

私は*ist Dから一眼に入ったので,いくつかPENTAXのレンズを持っているのですが,この当時のレンズはとにかくスリムなのに重いのが印象的.SP本体も金属のカタマリですから,これらをしっかり構えて手動でフォーカスしつつ写真を撮る,というのはプロフェッショナルの作業ですね.

PENTAXのデジタル機,2008年発売のK-mと並ぶ.形状だけでなく重量感もかなり違います.手ぶれ補正は頼りになりますが,フォーカスの精度と速度が何とも・・・レンズはそれぞれSuper Takumar 50mm f=1.4とDA35mm f=2.8 Macro.
SPにはいわゆるアクセサリーシューがありませんが,岳父のSPには接眼部に差し込む形のシューアダプターが付けられていました.ASAHI PENTAXのロゴ入りです.