2012年12月25日火曜日

イタリア鉄道にやられる

クリスマス(降臨祭)のシーズンはみんな浮き足立っています.私たちもあちこちお呼ばれして移動するのですが,連発でイタリア鉄道にやられてしまいました.突然の列車キャンセル.

部分ストなのか間引き運転なのかは分かりませんが,ネット等で調べると何の異常情報も無いのに,駅に行ってみると「CANCELED」もしくは「SOPP」と表示されていて,列車は来ません.

まあ,次の列車は来るのですが・・・1時間後とかなんですよね.

見難いけど,一番上の列車にSOPPの表示.

パドヴァからビチェンツァに向かったときは,予定の列車がCANCELED.次に来た列車は,なんと2両編成のディーゼルカー.完全なローカル線仕様.普通この区間には,4両編成の2階建て車両かそれ以上の列車が来るのですが.近くにいたイタリア人おばさんにも「これビチェンツァ行き?」って聞かれました.我々が聞きたいですよ.結局,お客さんを満載してノロノロとヴィチェンツァに向かったのでした.
かわいいディーゼルカー...って,目を疑ったよ,幹線で君に会うなんて.



翌日,今度はパドヴァとメストレの間にある小駅へ行き,友人宅で過ごした帰り.寒い駅で待たないように,列車時刻に合わせて駅に送ってもらったのに・・・案内表示に「SOPP」の文字.「Delay」の項目にこれが表示されていたので,当初は意味が分からず「霧だから徐行,とかかな?」と思っていたのですが,待てど暮らせど列車は来ず.結局1時間待って,次の列車に乗ることに.
列車をキャンセルするのはいいから,Web時刻表等にちゃんと載せてくれ!


寒い霧の駅で1時間待ち.

2012年12月19日水曜日

お祝いのリボン

北イタリアでは,何かお祝いごとがあると,家の扉や門,車などにリボンをつけてそれを表すのだそうです.

内容によって色が決まっているそうで,白が「結婚」,水色が「男の子の誕生」,ピンクが「女の子の誕生」,そして赤色が「大学卒業」なのだそうです.

慶事を堂々とアピールできる,なかなか便利な方法ですね.大学卒業がそこに入っているのが日本の感覚とは違いますが,こちらの大学は卒業時期が一定ではありませんし,小学校から留年させるお国柄なので,注目すべきお祝いなのでしょう.

2012年12月6日木曜日

滞在許可証(2)

滞在許可証 Permesso di Soggiorno

・受取

指紋採取からキッカリ40日後,許可証の受取日時がSMSにて通知されました.しかし困ったことに,その日は仕事で出張.受取には本人が行く必要があるので,受取日を変更する必要に迫られました.

電話で問い合わせてもらうと,受取日の変更をするためにもQuesturaに行く必要があるとのこと.全く面倒ですが仕方なく,Questuraの相談窓口に並んで新しい予約をもらいました.そしてもう一度,その予約日時にQuesturaへ出かけて,ようやく滞在許可証を受け取ることができました.なお,受取時には,窓口に置かれている指紋スキャナで何やら行いましたので,やはり本人が行く必要があるようです.

結論として,私の場合申請から5か月弱で発給となりました.企業や大学など,Questuraとコネクションがある場合はもっと早くしてもらえる場合もあるようですが,郵送した申請書は一括してローマの事務局へ送られるようなので,極端な短縮は期待できないかもしれません.

私の場合,時間こそかかりましたが,特段手続きで問題が生じることはありませんでした.先生にしきりと言われたのは「とにかく違法状態にならないようにすること」.滞在許可を申請すると受領書が貰えるのですが,許可証の発給を受けるまではこれが証明書の代わりになります.発給まで待たされたり,追加書類を要求されたりしても,とにかく違法状態でない状態をキープするのが大切,とのことでした.

いまのところ,警察に証明書の提示を求められるような状況は全くありませんが・・・

なお,渡航前にいくつか気になる点がありましたので,当方の事例を紹介します.あくまで一例とお考えください.

・直接イタリアへフライトするのではなく,シェンゲン条約国を経由しても良いか
→問題なし.ビザ申請書にも正直に書いた(フランクフルト)が不問.ただし,パスポートには入域国のスタンプしか押されないので,そこから滞在許可証の申請までに時間が空いてしまうと「イタリアへの入国日を証明する書類を出せ」と言われるらしい.

・ビザ発効後○○日以内に入国せよ,といった制限はあるか
→先生にも確認していただきましたが,無いようです.尤も,私自身は正確に渡航開始日をビザ発効日として申請していました.一方,同じ条件でビザ発給を受けた私の家族は,私から遅れて2か月後に入国しましたが,特段問題はありませんでした.

・許可証発行前に日本に一時帰国して良いか
→Multi-entryのビザならOK(窓口の係官に先生が確認).また,シェンゲン条約国に旅行する分には,パスポートコントロール自体が無いので,問題は起きようがないと思われます.当方が頂いたビザは,有効期限内の60日までシェンゲン条約国に滞在できる,と明記されていました.

2012年12月5日水曜日

滞在許可証(1)

滞在許可証 Permesso di Soggiorno

・申請
イタリアに到着した外国人は,8日以内に滞在許可を申請する必要があります.ビザがあるのに?と思うのですが,ビザは入国を許可する書類に過ぎず,滞在についてはまた許可が必要なのだそうです.日本でも「外国人登録証」の制度がありますが,これは「登録証」でははくて「許可証」でして,イタリア滞在時の不愉快や不安の代表選手です.

郵便局に行くと,この申請キットを無料でくれますので,必要事項を記入の上,印紙を貼り,手数料を納めて郵送にて申請します.このあたりは,ネットで検索すれば多数の事例がヒットすると思います.手順に従って粛々と行うまで,なのですが,やはり係員とのやり取りがありますので,イタリア語・イタリア事情に通じた方の手助けが望ましいです.

申請書が郵便局で受領されると,面接日時を知らされます.Questura(クェストゥーラ)という警察の市民窓口に出頭し,ある種の面談をする必要があるのです.私の場合,夏休みシーズンを挟んだこともありますが,面接日は申請から3か月近く後でした.つまり,この時点で3か月以内に許可証が貰える可能性はゼロ,ということです.

・面談と指紋採取
面談では何をするのか?正直よくわかりません.同様な立場の友人に聞くと,とにかく経済的な保証についてしつこく確認され,いくつか面接窓口で追加資料を提出した,などということでした.

産業集積地であるヴィチェンツァは不法就労に神経質かもしれない,おまえは中国人に見えるから,何とかして日本人らしさを出さないと,などと先生と相談し,暑い夏の盛りにネクタイ+スーツで出頭する,という作戦に出ました.ちなみに,街中でスーツ姿の人を見るのは非常に稀です.

これが良かったのか悪かったのか・・・私の場合は,窓口にて「パスポート出して」「(指定の)写真出して」で終了.絶大な信用を誇る日本のパスポートもQuesturaの前では無力,といった話も聞いていただけにホっとしました.

その後は場所を変えて指紋採取・身長計測・書類にサインして,手続きは終了.携帯電話の番号を連絡しておくと,40日以内にSMSにて受取日を連絡してくれます.

ビザの取得

ビザの取得

ビザの取得は,東京のイタリア大使館か大阪の総領事館に持参して申請することになります.申請書はPDF形式で大使館のwebページからダウンロードできます.記入欄が小さいので,私はAdobe Acrobatで申請書を作成しました.当然ながら「相手は日本語を解さない」という前提で,英語もしくはイタリア語で作成する必要があります.

申請にあたっては,記入要領に指示された書類を持参することになります.ここで当方が感じたことは「できる限りの書類を持っていった方が良い」ということです.例えばサバチカルでの滞在の場合,現在の勤務先での在籍証明書や給与証明書,サバチカルの証明書なども,明記されてはいませんが持っていく必要があります.なんだかメンドクサイな,できるだけ少ない書類で済ませたいな,と思われるかもしれませんが,これが逆です.

大使館に書類を提出すると,大使館が保管する分を除き,大使館のスタンプと係官のサインをして返してくれます.これはつまり,大使館が証明した書類となり,各種証明に対する正統な原本と扱われます.考えてみれば,日本の大学名や学部長のサイン程度では,それが正当なものかどうかイタリアの係官がその正当性を調べることはかなり難しいでしょう.

なお,住民票などの日本語による公的書類をイタリア語へ翻訳のうえ,大使館による認証を得てくれる翻訳サービスもあるようです.私も家族との関係を証明するために住民票の翻訳・証明をお願いしましたが,2万円以上かかりました.

また,ビザ発給待ちの間は,パスポートを大使館に預けることになります.目安として1ヶ月と言われていますので(実際はもっと早く発給していただけるようですが),この間に海外出張等が無いようにスケジュールを調整しておく必要があります.

我が家の場合,幸いにして手続きは極めてスムーズに進み,全員に就学ビザを発給していただきました.

イタリア滞在の手続き

・はじめに

イタリアに3か月以上滞在する,あるいは学校に通う,業務に携わる場合には,決められた手続きをする必要があります.

(1) ビザの取得:日本の大使館に申請
(2) 滞在許可証の取得:現地で申請

企業の任務で来られる方は,基本的に担当部署が対処してくれると思われますが,私は一種の留学としてやってきたため,手続きは自分(&受け入れ先の先生)で行いました.おそらく,イタリア留学・滞在をお考えの方にとって,滞在許可証(Permesso di Soggiorno)の取得が最も気になることではないでしょうか.

ここでは,滞在許可手続きなどについて,私の事例について,私見を交えつつご紹介したいと思います.

なお,イタリアでも移民のコントロールは重大な問題であるため,法律がしばしば変わります.また,係官は一定の裁量権を持っており,その判断や指示は画一的ではない可能性が大いにあります.ぜひ最新の公式情報をご収集の上,手続きに臨まれるようお願いします.

2012年12月2日日曜日

量り売り

北イタリアの街に住んで,当然ながら日々の食材などを買い物に行くのですが,こちらでは殆どのものが量り売りになっています.

例えば,野菜や果物もすべて重量単価で価格が表示されています.買い物客は,ビニール袋に欲しい野菜を入れたら計量台に行き,品物につけられた番号を入力します.すると,計量された重量に単価を掛けたラベルシールが印刷されて出てくるので,これをビニール袋に貼り付けてレジへ持っていく,といいうシステムになっています.

このシステムがあるので,大きいトマトは大きいなりの,小さいトマトは小さいなりの値段になって公平だ,ということのようです.日本のスーパーでも,肉などは内容重量に応じてパックに価格が表示されているようですが,こちらでチーズでも魚でも全てそう.徹底しています.

2012年11月14日水曜日

北イタリアの街中で運転

レンタカーを何度か借りてみて,なんとなく(北)イタリアでの運転について分かってきたような気分になってきました.



当初,イタリア人の運転は荒いのではないか?街中を運転するのはタイヘンなのではないか?とビビっていましたが,関西出身の日本人によると「大阪よりだいぶマシ」とのこと.南イタリアは別の国らしいですが・・・

実際,ヴィチェンツァ・パドヴァの運転マナーはかなり良いと感じます.ただし,街中には知っておくべきルールが沢山あります.これらに気を付けさえすれば,日本の大都市で車を運転していた人なら問題なく運転できると思います.AT車の確保は難しいですが・・・

(1)一方通行
欧州の旧市街は道幅が狭かったり,駐車スペースを確保する必要があったり,はたまた景観や雰囲気維持のため,一方通行が非常に多いです.むしろ,双方向の車線がある道路を「大通り」と受け止めるべきでしょう.そのため,すぐ近くの目的地まで行くのに大回りしなくてはならないことも頻繁にあります.でも大丈夫.Google Mapのナビ機能はかなり正確にルート案内してくれますので,スマートフォンで確認してから出かければ良いのです.

(2)バスレーン
旧市街では,公共交通が優先されており,バスやタクシー,トラムしか進入できないレーンが多数あります.これらのレーンには両側に太い黄線が引かれており,路面のところどころに BUS TAXI と記載されています.昼間はまず間違うことはないのですが,雨の夜間などは路面のテカリで良く分からないことがあります.なぜか他の車が進入しない交差点出路はちょっと注意したほうが良いでしょう.


右側はバスレーンになっていて,一般車は走行できません.つまり,一般車にとっては一方通行,バスやタクシーは双方向通行が可能,という仕組みです.一般車は遠回りする必要がありますが,そのおかげで公共交通の運行と駐車区画が確保されているわけで,なかなか合理的だと思います.


(3)ZTL
Zona Traffico Limitatoの略で,要は一般車進入禁止区域です.ビチェンツァ・パドヴァにも多数設定されており,多くは旧市街中心部にあります.石畳の道はZTLになっている可能性が高いような・・・赤丸に白抜きの標識で必ず表示されているので,不注意で進入しないように.一方通行やバスレーンと同じく,ビデオカメラで監視されていて,違反すると後日反則金の振込用紙が送られてくるそうです.

ZTLを警告する看板.直進するとZTLですよ.


(4)歩行者に注意
欧州での歩行者優先は徹底しています.信号がない横断歩道に歩行者がいたら,迷わず停止しなくてはいけません.歩行者の側は「当然の権利」と考えて横断してきます.それどころか,歩行者用信号が赤でも渡ってくる人もいますので,街中では常に注意が必要です.

自分が歩行者になったときは,逆にいつでも渡っていいはず・・・なのですが,日本の感覚でどうも遠慮してしまいます.

(5)駐車場所
イタリアにも日本のような駐車場ビルや地下駐車場があります.しかし,よく目につくのは路肩にある駐車スペースです.この駐車スペースには,大きく分けて白枠,青枠,黄枠があります.
白枠は無料で駐車可能.ただし,旧市街中心部にはほぼありません.

青枠は有料駐車スペース.近くにあるチケットベンダーでパーキングチケットを購入し,車のフロントガラスのよく見える場所に提示することで駐車が可能になります.駐車料金は場所によって異なり,旧市街中心部に近づくほど高くなります.パドヴァの旧市街でおよそ2ユーロ/時間ぐらいです.

こんな縦列駐車が一般的.ビチェンツァやパドヴァではちゃんと間隔をあけて停まっていますが,ミラノではビッチリ車が詰まっていました.「フランス式縦列駐車」をしているんでしょう,きっと.


日本と違うのは,(制限が記載されている場合を除き)お金を払えば停めたいだけ停めて良い,ということ.最も,多くのパーキングチケットマシンはコインしか受け付けませんので,大量のコインを用意しておく必要がありますが.

黄枠は住民や作業車用のスペースですので,ヨソモノが駐車してはいけません.
これら以外の場所に停めるのは,当然駐車違反です.ヴィチェンンツァではあまり見かけませんが,パドヴァは大都市だけあって結構適当なようです.

2012年11月11日日曜日

ミラノに行ってきました

講演会に参加するため,ミラノに行ってきました.

パドヴァから直通特急で2時間ほどで,北イタリアの大都会,ミラノに着きます.荘厳なミラノ中央駅から出ると,大都市.ヴィチェンツァ・パドヴァ・ベネチアなどと比べると,ミラノは本当に大都市です.高い建物が並び,ちょっと緊張します.

講演会自体は,郊外にあるRHO Fieraというイタリア版ビッグサイトみたいなところで開催されたので,ミラノ市街に出たのはそれほど長時間ではないのですが,車と人の多さにビックリします.

意外だったのは,ミラノにはまだたくさんのトラム(路面電車)が走っていたこと.有名なドゥオーモを中心に,バス・地下鉄と協調しながら郊外へ路線が伸びています.ミラノの公共交通機関は,共通の一日券4.5ユーロで乗り放題になります.トラムの車窓を眺めながら,あちこち移動するのはなかなか楽しい体験です.バスと違って停留所がはっきりしているので,安心して移動できるのが良いですね.


パドヴァやビチェンツァではなかなかお目にかかれない日本人観光客の団体もみかけました.ミラノは大都市なので,スリなどに対して緊張していましたから,日本人観光客がいると少し安心します.実際にはトラブルは何もなかったのですが.

レストランも多種多様に揃っているのですが,やはり物価は高い印象が強いです.ヴィチェンツァからパドヴァに来たときも,少し高いな,と思ったのですが,ミラノはさらに高い.まあ,大都市はどこもそうなのでしょう.

それなりに楽しかったのですが,一つだけ後味の悪い体験がありました.パドヴァに帰る際,ミラノ中央駅で列車の切符を買うときのこと.中央駅東側から駅に入ってすぐのところに,列車の切符「も」売る窓口があったので,そこで切符を頼んだのですが,その窓口は単なる旅行代理店で,手数料を7%(5ユーロ)も取られました.手数料の説明など事前になく,私はFSの窓口だとばかり思っていたので面喰いました.少し進めば自動券売機やFSの窓口もありますので,皆様は無駄な支出をなさらないよう,ご用心下さい.

2012年10月11日木曜日

日本食といえばスシ

イタリア人は食にうるさい.たぶん.

イタリア料理には手軽でおいしいものが多いのか,母国愛が強いのか,マンマの味が忘れられないのか,意外なほどここパドヴァの中心街で中華料理店などを見かけることがありません.

その一方で,日本食は結構あります.といっても,ほとんど全て「スシ」.恐らく,経営者や職人も日本人じゃないでしょう.カジュアルなカフェからレストラン風,チェーン店までありますが,とにかく「日本食=スシ」.温かな日本の定食が食べたいと思ったら,自宅で作るほかありません.

しかし,さすが地中海マグロの本場,スシの再現度は結構ハイレベル.さらにベジタリアン向けやイタリア風アレンジなど,見ても食べても結構楽しめます.

回転寿司はありませんが,値段もそんなに高くありません.ヘルシーな食事として,女性を中心に人気があるようです.

2012年10月2日火曜日

焼き栗

秋になると収穫のシーズンを祝って様々なものがチェントロ(旧市街中心部)に現れます.

静かな日曜日の午後.市のテントも稀な広場の一角から煙が上がっている・・・寄ってみると,おじさんが直火でクリを焼いていました.栗の大きさよりもわずかに小さい穴が多数空いた,柄の長いフライパンのような道具を使い,栗を豪快に焼いていきます.

栗の皮を火であぶって焦がし,フライパンをゆすってはぎ取ります.仕上げに,何度か高々と栗を空中に舞い上げ,風で皮を飛ばします.

焼き立てを買って食べてみると・・・日本の栗のように甘くはないけど,素朴な味と香ばしい香が喜ばしい,秋の味覚です.

2012年10月1日月曜日

パドヴァの市内交通

パドヴァ市内の代表的な公共交通手段はバスとトラムです.

市内バス(オレンジ色の車体)とトラムはAPS社が運航しており,チケットは共通です.75分有効の1回券1.2ユーロ,9回分の回数券(カルネCarnet)10ユーロ,1日券3.3ユーロです.駅前にあるAPSのチケット売り場のほか,街中のタバッキ(Tabacci)でも買うことができます.

バスやトラムに乗ったら,車内にある黄色い箱にチケットを突っ込み,使用開始時間を刻印します.有効時間内の乗り換えは自由です.チケットを持っていなかったり,刻印していなかったりすると罰金です.ドライバーは料金徴収と関係ありませんので,求められない限りチケットを提示する必要はありません.

トラムは今のところ1系統しかないので,南行か北行かだけ気にすればよいのですが,バスは数多くの路線があります.路線図は,APS社のWEB http://www.apsholding.it/mobilita/ より Mappa delle linee のリンクで見ることができます.バスは前後左右に系統番号を提示しているので,案外分かり易いです.また,Android版のGoogle Mapでは,バスを使った経路検索も有効に機能しますので,停留所探しにも便利です.なお,イタリアは右側通行なので,バス停探しの際はご注意下さい.


平日は多数のバスが頻繁に運転されているのですが,休日は大きく減便されます.休日は運行自体がない系統もありますので,注意が必要です.ただし,旧市街を観光する限りにおいては,バスやトラムに乗れなくても大きな支障はありません.

バスは黄色い看板のバス停Fermataから乗ります.イタリアでは,自分が乗りたいバスが接近してきたら,腕を水平に突き出して乗車の意思表示をする必要があります.バス停によっては,次のバスの到着時刻を知らせる電子掲示板が併設されているところもあります.おおむね5~10分遅れてバスが来るのは日本の都市と同じです.

トラムはトラム用の停留所(ちょっと駅っぽい)から乗ります.鉄道と同様に,ドアのグリーンのボタンを押して自分でドアを開け,乗り込みます.チケットの刻印等はバスと同じです.原則として,停留所には必ず停まるようです.

2012年9月28日金曜日

パドヴァ市内の概要

パドヴァ市は人口20万人強の,ベネト州の中では大きな町です.町の中心である旧市街(チェントロCentro)は駅の南側にあります.真新しいトラムが町を南北に貫いていますので,これを基準にすると位置関係の把握が容易です.




駅からトラム通り沿いに南下し,ブレンタ川を渡ると旧市街に入ります.トラム通りのすぐ東側にアレーナ庭園があり,スクロヴエーニ礼拝堂(フレスコ画が有名だが見学は予約制)があります.

さらに南下すると,トラムの西側にラショーネ館,シニョーリ広場,ボー(Bo, 創立時のパドヴァ大)などがあり,この付近が町の文化的・商業的な中心になります.駅からバスやトラムを利用することもできますが,徒歩でも20分程度です.なお,パドヴァの町と大学は一体化しており,特定のキャンパスはありません.そのため,行き先を尋ねる際は「どのDepartmentに行きたいのか」を告げる必要があります.

トラムの通りから1本西に並行するローマ通りがめぬき通りになりますが,商店やカフェ,レストランなどは路地の奥まで分布しています.ローマ通りの南下を続けると突然景色が開け,水路のある広場プラート・デッラ・バッレに出ます.広場の南側にはさんでサンタ・ジュスティーナ修道院,東側にはサンタントニオ教会や世界遺産に指定されているパドヴァ大付属植物園があります.

2012年9月27日木曜日

パドヴァ・ヴィチェンツァご来訪のご案内


パドヴァ,ビチェンツァはベネチアにほど近い,北イタリアベネト州の都市です.1222年に創立されたパドヴァ大学のキャンパスを有し,豊かな農耕地帯の面と意外にも産業集積地の顔があり,非常に豊かな地域です.ヴェネツィア・ベローナ・ボローニャ等へも日帰りが十分可能ですので,どうぞお立ち寄り下さい.

日本からパドヴァへは,ヨーロッパ域内で乗り換えた上でヴェネチア・マルコポーロ空港(VCE)に至るのが一般的です.


公共交通を使う場合,VCEからバス[1](所要30分)もしくはタクシー(所要15分)でベネチア・メストレ駅(Ve. Mestre)へ行き,そこからイタリア鉄道(FS)[2]でパドヴァ駅へ(特急20分,普通40分)至るのが一般的です.日中の場合,メストレ駅へのタクシーは35ユーロ(ほかに荷物料などがかかる)均一料金のようです.このほか,空港からパドヴァへ乗り換え無しで向かうバス[3]も走っており,所要約70分です.このバスはベネチアのローマ広場(Venezia P.LE Roma)経由です.パドヴァのバスターミナルは駅に隣接しています.

複数人のグループであるとか,荷物が多い,とにかく楽なのが良い,夜遅くの到着で不安,といった場合は,シャトルサービス[4][5]が便利です.シャトルサービスの費用は時期や条件によって異なる可能性がありますが,貸切シャトルでおよそ100ユーロ弱です.空港からパドヴァ市街まで約30分です.

一旦ベネチア(島)に滞在される場合,水上バス[6]も有効な交通手段です.特にサンマルコ広場・ザッテレなど,海側に目的地がある場合,駅やバスターミナル(ローマ広場)からスーツケースを引きずってベネチアの迷路をウロウロするのは大変です.VCEの水上バス埠頭は,屋根付き歩道で空港ターミナルビルとつながっていますので,迷うことはないと思います.サンマルコ広場まで約90分です.なお,ベネチアからパドヴァへ船で向かう観光ツアー[7][8]もあります.ヴィラを巡り水門を通過していきますので,1日かかります.

なお,スイス・ジュネーブからは1日1往復のみ直行特急Eurocityがあります.また,ミュンヘンへはミラノ乗り換えで5時間ほどです.その他,パリ-ベネチアを結ぶ夜行列車なども運行されています.

[1] ベネチア空港・メストレ駅間バスATVO, http://www.atvo.it/index.php?lang=en&area=23&menuid=35
[2] イタリア鉄道 Trenitalia, http://www.trenitalia.com/
[3] BUSITALIA (SITA NORD) http://www.fsbusitalia.it/
[4] 乗合タクシーAirService, http://www.airservicepadova.it/en/who_we_are/company
[5] シャトルタクシーShuttle Direct, http://www.shuttledirect.com/en/php/airport_shuttle_direct.php
[6] 水上バスALILAGUNA, http://www.alilaguna.it/?funzione=1&contesto=1&valore=8&modo=6
[7] ボートツアーIl Burchiello, http://www.ilburchiello.it/
[8] ボートツアーI Battelli del Brenta, http://www.battellidelbrenta.it/home.php

パドヴァへ引っ越し

美しい建築の街ビチェンツァから,大学街パドヴァへ引っ越しました.

当初お世話になっていたアパートを空けなければいけない時期となり,大学へ列車を使わずに通えるパドヴァへ引っ越しました.ヴィチェンツァの街にもようやくなじんできた気分だったのでいささか残念でもありますが,心機一転パドヴァの暮らしをエンジョイしたいと思います.

パドヴァはベネト州の中では結構大きい街で,ビチェンツァ同様長い歴史を持っていますが,街並みはヴィチェンツァよりも近代的な建物が混在しています.美しさではヴィチェンツァに軍配があがりますが,利便性ではパドヴァが勝るといえます.

何より,中心街にあるスーパーやファストファッションのお店は日曜日でも営業している!これはなかなかすごいこと.週末の食糧確保がずいぶん楽になりました.

パドヴァでのアパート探しは結構難航しました.エージェントにお願いしたのですが,1年未満しか滞在しない私たちに対して,多くのオーナーは1年以上の契約を望むため,そもそも対象となる物件が少ないのです.それでも待てば海路の日和あり,で,理解のあるオーナー(英語もできる!)のおかげでチェントロに近い物件を借りることができました.アメリカ人と日本人は金払いが良い,というのは,多少の強みになるようです.

2012年9月1日土曜日

レンタカーを借りる

イタリアは鉄道国であると共に自動車社会.レジャーに出かけたり,大型家電店やらIKEAやらにでかけるためには,やっぱり車が便利です.

そういうわけで,我々もレンタカーを借りて使ってみました.ヴィチェンツァには米系大手のAVISとHertzのレンタカー店舗が揃っています.特に優遇会員ではない私は,価格を比べてAVISにしてみました.

よく言われているとおり,こちらの車はマニュアルトランスミッション(MT)車が多く,ビチェンツァのAVISにもHertzにもマニュアル車しか用意が無いようです.ヴィチェンツァのAVISはガソリンスタンドの隣にあって,車はガソリンスタンドの隅っこみたいなところに停めてあります.返却時,燃料を入れるのに迷わなくて助かります.

我が家は2度ほどAVISを利用しました.1度目はエコノミークラスで,黒いフォード・フィエスタでした.走行距離の少ないほぼ新車で,坂道発進の際に後退しない機構が付いていて助かりました.子供用にジュニアシートも借りましたが,日本の大手レンタカーと違って有料です.

それから,GPS(カーナビ)も借りてみました.ポータブルタイプ,いわゆるPNDですが,これがイマイチ.画面は小さいし,吸盤でフロントガラスに着けても落ちてしまうし,盗難防止のため,車を離れる際はいちいち外す必要があります.これでそれなりの代金がかかるので,1度きりで止めました.2度目以降は,携帯+Google Mapでナビです.

久しぶりの5速MTで,当初はクラッチを踏まずにエンジンをかけてしまったり,ラウンドアバウトの入口でエンストしてしまったりと散々でしたが,慣れてくるとなかなか活発な走りで,楽しく帰ってくることができました.

2度目は少し大きく,コンパクトワゴンを指定しました.割り当てられたのはルノー・メガーヌワゴンで,コンパクトとは言うものの,日本でいえば3ナンバーサイズです.スーツケースを運ぶ必要があってコレにしたのですが,やっぱり大きい.街中に駐車するときは少々冷汗です.この車は6速MTだったのですが,変速操作感はあまりよくない上にターボが効いてくる回転域が高めで,どうにも使いにくい感じでした.5速にしておいてくれたほうが,操作量が減って良いようにも思いました.

どちらの車も,ヨーロッパで主流のディーゼルです.車外にいると,ガラガラという音がそれなりに気になりますが,車内ではほとんどわかりません.それよりも,ガソリンエンジンに比べて上限回転数が低く,ギアシフトのタイミングがイマイチ掴めないでいます.ディーゼルはガソリンに比べてトルクが大きいから,低回転でつないでも良いのでしょうが,どうも感覚的に怖くてブワーンと回してしまいます.

そんなことがあっても,やはり車があると自由な気分で移動できます.これからもレンタカーとうまく付き合っていきたいですね.

それにしても,ヨーロッパはなぜいまだにMTばかりなんでしょうね.最近はATのほうがMTより燃費が良いケースも多いと耳にします.MT乗りのほうがカッコイイ,という感覚もあるのでしょうか.しかし最近は,ドイツ製大型高級車を中心にATも増えてきているようです.

当方が思うに,経済的にシビアな小型車に対して,良いATが無い(無かった)といいうのが未だにMTが多い理由なんじゃないかと思います.当方が運転した範囲でも,結構ギアシフトの機会が多いと感じたので,ヘボいATではイライラが募るのでしょう.アメリカのように,広大でギアシフトの機会が少なく,燃料代も安い国ならATがヘボくてもいいでしょうし,渋滞が深刻な日本だと,MTでは日常運転が辛いので頑張ってATが改善され,みんなATに乗るようになったのでしょう.

2012年8月9日木曜日

灼熱のベローナ

ベローナといえば,北イタリア有数の観光地.日本発のツアーにもよく組み込まれています.アリーナや寺院,それにロミオとジュリエットの家.手元にある地球の歩き方にも「2日は欲しい」と書かれています.

しかし,真夏のベローナはとにかく暑い!ほとんどの見どころが屋外もしくは古い建造物であるベローナを楽しむには覚悟が必要です.

我が家が訪れた日も気温35度.直射日光に当たれば,体感気温はそれ以上になります.教会やドウォーモは石造りだから冷房がなくても涼しい・・・と思ったら,連日の猛暑ですっかり温まっていました.カフェやレストランもあまり涼しくありません.博物館(カステルベッキオ)は作品保存のために冷房が効いているのでは,と期待したものの,扇風機が回っているだけでした.午後3時ごろカステルベッキオに行ったため,館内で子供が熱中症一歩手前になってしまいました.さすがにこれはキツい.

欧米人観光客の子供が1.5リットルの水ペットボトルを持ち歩いているのを見て納得.とにかく暑さ対策を万全にしなければ危険な状況です.

我が家は灼熱のカステルベッキオを脱出し,スーパーマーケット「EUROSPAR」に駆け込んで難を逃れました.スーパーは冷房が効いているし,飲料も安いので大助かり.夏のベローナはまずEUROSPARに行け,ですね.

2012年6月25日月曜日

1年定額データ通信

スマートフォン用に購入したVodafoneのプリペイド回線は,テザリングにも対応していて便利なのですが,10ユーロ/500MB(オーバーすると2ユーロ/100MB)とちょっと高め.スカイプなどのVoIPには対応していないと明記されていることもあり,日本とのテレビ会議等には使えません.

そこで,データ通信用の回線も購入することにして,再びVodafoneショップへ行ったのですが,Vodafoneではクレジットカードによる長期契約でないとお得なプランが無い,と店員さんに言われてしまいました.ここでいうクレジットカードは,おそらく日本で発行されたものは不可です.通信回線を海外から維持しようとする行為には,どうも一定の制約がかかっているようで,上記のプリペイド回線へのチャージにWebでクレジットカードを登録しようとしたものの,私が持っているカードはVISAもMasterもダメでした.

なので,気を取り直しTIMという,イタリアで言うところのドコモみたいな会社のお店に行ってみました.気の良さそうなおじさんに相談すると,「それなら1年パックがいいんじゃないか」と紹介されました.これなら,継続的な契約関係は求められないので,現地のクレジットカードなどが無くても購入できるとのことでした.

プリペイドが一般的なイタリア携帯界では,このようなデータ通信パックが様々に用意されていて,100日いくら,とか10GBいくら,という形態でも購入することができます.データ通信は着信する必要は基本的にありませんから,必要な分だけ購入するのが合理的なんですね.

私が選んだのは,12ヶ月間有効で,ベストエフォート14.4Mbpsにて1ヶ月10GBまで通信可能な「Internet Pack senza Limiti」というもの.USBモデム付きのパックで199ユーロでした.モデム込1ヶ月あたり16.6ユーロで10GB通信できるのですから,為替レートを考慮してもかなりお得なんじゃないでしょうか.ドコモ的な感覚で言えば,この上に設定されている「Internet Pack Premium」(ベストエフォート42.2Mbpsで1ヶ月15GBまで,モデム込12ヶ月299ユーロ)も結構イケてますよね.

実際のブツは,プラのクリアケースに収まったコンパクトなパッケージになっていました.なぜかUSBモデムは「DUCATI」モデル.イタリア人はこういうのが好きなんでしょうかね?中を開けると,SIMカードはUSBモデムにセットされているわけではなく,別に収められていました.このあたり,回線と端末の分離が徹底しています.

SIMを装着し,USBモデムをインストールすれば,もちろんキチンと通信できました.speedtest.netで計測すると,おおよそ上り4Mbps,下り3Mbpsが出ているようでした.

2012年6月24日日曜日

窓口での戦い:銀行編

Codice fiscaleを何とか発給してもらったので,次は銀行口座を開くべく銀行へ向かいます.

イタリアでは,脱税防止?の観点から,1000ユーロ以上の商業的決済を現金で行うことは禁止されているそうです.いわゆる買い物であればクレジットカードを使えばいいのですが,家を借りる契約をするような場合ではそうもいきません.そこでやはり,銀行に口座を開くことにしました.ですが,やはりここも一筋縄ではいきません.

今回は都合上,先生の奥様にご一緒していただき,先生ご推薦の銀行へ向かいました.原発の放射線スキャナのような,1人ずつしか入れないゲートをくぐりぬけて内部へ侵入.相談窓口みたいなところにいる人に声をかけ,担当者のブースで口座開設を依頼します.

今回も若い担当者と「滞在許可証がないと・・・」みたいな話になりかけたのですが,ベテランと思しき女性が「Codice fiscaleがあればOKのはずよ」と本部に電話確認を取ってくれたおかげで,なんとか口座開設に進むことができました.もちろん,先生の奥様による,イタリア語での説明・説得は欠かせません.

口座開設に進んだものの,「デビットカードは作れないかもしれない」→できる,「オンラインバンキングはできないかもしれない」→できる,と1つずつ突破していく必要があり,全てOKになった後も山のような契約書を印刷するのにプリンターが故障したりして,多数のサインを終えてブースを出るまでに2時間以上かかってしまいました.

それでも,全て終わった時点でデビットカードも発給され,オンラインバンキング用の暗号発生器も貰えたので,「We won!」と言っていいでしょう.正直なところ,交渉に使えるレベルのイタリア語ができなければ,自分で手続きを進めるのは不可能です.そういうところで,相手の信用レベルを見ているのでしょうか・・・かつて日本の結婚式で,必ず仲人を立てていたようなもの?

その後,別の窓口で現金を入金し,WEBで確認したところ無事に入金されていたので,とりあえず口座はちゃんと機能している様子.この銀行はATMで預入もできるそうなのですが,まだ試したことはありません.

それから・・・これまた本当かどうか分からないのですが,トラベラーズチェック(TC)での入金をお願いしたら「いまTCは受け付けてないの.ゴメンネ!」と言われてしまいました.ユーロのTCか?って聞いてきたのは何だったんでしょうか・・・

なお,イタリアでも日本のように,郵便局に預金口座を持つことができるそうです.こちらの開設難易度は銀行と比べてどうなんでしょうかね?

窓口での戦い

イタリアで暮らしていくためには,Codice fiscale(フィシカルコード)の取得が欠かせません.

このCodice fiscale,アメリカでいうSocial Security Numberのようなものらしく,銀行口座を開いたり,何か契約行為を行うときに必要とされます.聞くところによると,脱税防止が主眼らしいですが・・・

上記のように,Codice fiscaleは経済行為を対象としているためか,正規に滞在している外国人にも発給してもらえます.原則として,滞在許可申請が済んでいれば,パスポートを身分証明として発給してくれる,はず,です.

ところが,ビチェンツザの街の窓口では,一度「滞在許可証がないとダメ」と跳ねられてしまいました.現場の裁量権がはっきりしているこの国では,担当者がダメというとダメなようです.

それなら滞在許可証の発給を待って・・・と考えるのは早計.滞在許可証の発給を受けるためには,申請を行ったときに指定された日に警察へ出頭し,諮問等を受ける必要があるのですが,この日付が(当方の場合)申請から3か月近く後なんです.滞在許可証が申請から1~2週間で発給されるなら何も問題ないのですが,これでは困ります.

そこで先生と相談し,大学の窓口で「滞在許可申請を行ってさえいればよい」の言質を取り,同様なケースでCodice fiscaleを取得した外国人に話を聞き,いざとなった場合に電話で応援してもらう算段を取り付けた上で,再び発給申請に臨みました.

今回も何やらごちゃごちゃと言われたようですが(イタリア語なので分らない),ベテランの女性係員は比較的我々の話を聞いてくれて,なんとか無事にCodice fiscaleを発給してもらうことができました.役所を出たとき,先生が「We won!」と言っていたのが記憶に残っています.

なお,今回は先生との戦闘準備のほか,私もスーツにネクタイで日本人らしさを強調.現場の裁量権の強いこの国で,できるだけ係員に「問題を起こしそうにないお客さん」を演じるようにしました.結果的に発給してもらえたので,効果があったのではないかと思います.ビチェンツァの町中で,暑い中スーツを着て歩いている人なんて数えるほどしかいませんが.

2012年6月4日月曜日

スマートフォン用SIMカードを購入

ビチェンツァの街に出てまずやったこと,それは携帯電話のSIMを買うこと.

Google Mapは地図替わりにとても頼りになるし,メールの送受信手段もとりあえず確保できます.翻訳アプリをちょっとした辞書代わりに使うこともできるし,アプリ経由でiモードメールも読み書きできます.ほんと,スマートフォン無しだと不安で不安で.

とりあえずウロウロしていると,Vodafoneのお店を発見,とりあえず突撃.私はいつも海外でSIMを買うとき,言葉が心配なので,とりあえず電話機を突き出して「コレを使いたいんだ」と意志表示することにしています.今回も Buon giorno! と挨拶して Vorrei ... モゴモゴ... と言いかけると,感じの良いお兄さんが実に流暢な英語で対応してくれました.当方の脳内でVodafone株価が急上昇!

パンフレットを片手にプランを相談.もちろんプリペイドなのですが,しばらく滞在することもあって Smart Zero Limits+というプランを選択.イタリアでもプラン名は英語なんですね・・・

このプラン,月(正確には30日)あたり10ユーロでVodafone相手のSMSは送り放題,ネットアクセス500MB付き,そして指定のVodafone 1番号にかけ放題.SIMカードは初期費用20ユーロで20ユーロチャージ.電話機の自動設定ダウンロードを行った後,その日の夕方にチェックすると7.5ユーロが残っていました.2.5ユーロ分はどこに行ったのかな・・・と若干疑問に感じなくもないけど,実質手数料みたいなものでしょうか.

外国人でもパスポートを見せれば簡単に購入できます.月500MBは若干少なく感じるけど,超過するとSMSで連絡が来て,以降100MBあたり2ユーロとのこと.データ通信プランとしては,欧州内でちょっと高めな感じだけど,ドコモと比べるとその自由度の高さが嬉しい.

なお,電話機はSIMロックの無いものである必要があります.当方は台湾で買ったSony EricssonのAndroidを持ち歩いています.また,VoIPは使えないとのことで,実際にSkypeでは通話できませんでした(着信はしました).

2012年5月31日木曜日

Trenitalia

イタリアの鉄道,マークはFS (Ferrovie dello Stato)で国鉄の意だそうですが,2001年には持ち株会社になって一応民営化されたそうな.でもいまだにFSって呼ばれてるし,株を持っているのは国らしい.

私は民営化後のFSしか知らないのですが,良くも悪くも最近いろいろ変わってきてるように思います.

良い面といえば,時間に正確になったこと.かつては旅行で使っただけだけど,普通列車は30分ぐらい遅れていても何か?,という印象が強かったものです.それが,15分遅れぐらいになり,ちゃんと遅れが電光掲示板に出るようになって,今回の滞在では遅れがあっても数分というところまで来ました.また,駅もきれいになり,キチンと動作する自動券売機がそこかしこに置かれていて,非常に便利.なんといっても自動販売機は説明言語に英語が選択できます.ウェブ http://www.trenitalia.com/ から簡単に時刻を調べられるのも助かります.

でも,いろいろ合理化されてちょっと・・・と感じるところも.うろ覚えですけど,以前は各駅停車のRegionareはもちろん,快速のInterregionale,Diretto, 急行のEspresso など,ほとんどの列車に普通運賃で乗ることができて,Eurostar Italia が別格の有料特急という感じだったはず.ところが,今回こちらに来てみると,普通運賃のみで乗れるのはRegionareとRegionare Veroceの2種だけ.特急の種別が増えていて,Intercity Plus, Eurostar Italia, Eurostar Italia AVなどが有料座席指定列車になってしまっていました.

しかも,Regionare系と本数は同等かそれ以上.VicenzaからPadovaに行こうとすると,1時間に1本程度しか普通列車は無く,お昼時はAutobus,つまり鉄道代行バスとなっていて,普通列車は運転されません.なんだか日本の地方都市みたいです.それが時代の流れなのでしょうか.ちなみに,VicenzaからPadovaまで普通列車だと3.5Euroなのですが, 特急系だと14Euroもかかります.4倍はやりすぎなんじゃないですかね.

2012年5月29日火曜日

Vicenza

私は現在,ベネト州パドヴァ近郊にあるビチェンツァ Vicenza に住んでいます.アンドレア・パッラーディオという建築家が建てたパッラーディアン様式の建物が多数あり,美しい街を構成しています.日本ではあまり知られていない(というか私も知らなった)のですが,世界遺産に登録されています.

市街はさほど広くなく,端から端まで歩いても30分かからないぐらい.高い建物は尖塔やドゥオモを除いて皆無で,近代的なビルディングなど郊外に行っても見当たりません.ヨーロッパらしさが満喫できる美しい街ですね.

この付近の中核都市であるパドヴァ Padova までは,イタリア国鉄の普通列車で30分前後.ベネチアまで1時間ぐらい.特急列車 Eurostar ItaliaやIntercityに乗れば,それぞれ半分ぐらいの時間で着きます.便利さと美しさを兼ね備えた街ですが,大きなスーパーマーケットなどが近くにないのが玉にキズといったところです.

opening remark

イタリア・パドヴァ大学でのサバチカル中のよしなしごと用にブログを開設してみました.
恥さらしにならないよう気を付けます.

Herewith I would like to open a blog page in order to communicate with you during my sabbatical.