2023年2月17日金曜日

i7-13700K+RTX4070tiをmini-ITXで

PC組み換えの続き.

カラになったNR200P MAXにはインテルの第13世代CPUを押し込みます.

CPUはi7-13700K,マザーボードはROG Strix Z790-I Gaming WiFi. 従前の構成をそのまま世代更新したような構成です.

GPUカードはASUSのTUF-RTX4070ti-12G-Gamingにしました. 価格と性能向上のバランスを考えると,現時点で4070tiが良いかな,と思ったのです.

メモリはDDR5 5600MT/s, SSDはWD Blackの1TB M2 MVNeです.


結構ちがうROG Strix Z790-I

単純にROG Strix Z690-Iの次世代機だと考えて購入したZ790-Iですが,ピン配置などが結構変わっています.

例えば,シャシーファン(CHA_FANP)コネクタの位置が下(PCIeスロット側)から上(AIO_PUMP並び)に変わりました.

ちょっと驚いたのは,オーディオ関係がマザーボード上から一掃されたこと.HD_AUDIOヘッダは基板上になく,バックプレートにもオーディオ関係の端子は一切ありません.

そのかわり,オニギリみたいな形のROG Strix HIVEなる拡張デバイスが添付されています.オーディオやUSB端子が集約されていますが,どうせならSDカードリーダーを付けてほしかったな.マグネットが付いていて鉄に貼りつきます.

正面(ロゴのある面)に4つLEDが搭載されていまして,Z690-Iでは基板上にあった自己診断表示になっています.毎回見せなくても・・・と思うのですが,小型筐体にギュウギュウ詰めにする場合は有難いかも.

なお,ドーターカードにPCIeの信号を3.0にするスライドスイッチが取り付けられてます.ライザーケーブルがPCIe3.0のものだと映像が出力されず,FモデルのCPUだと詰むので,その対策でしょうか.しかしZ790マザーを選ぶのにPCIeケーブルを妥協する人っているのかな?

NR200P MAXへの組み込み

サイズに余裕があるので,NR200P MAXへの組み込みは悩む要素はあまりありません.下右フレームと電源プラグは外してしまった方が容易です.

唯一の難所はマザーボード上端のコネクタ接続.ここにCPU_FAN, CPU_PUMP, CHA_FANコネクタが並んでいます.相変わらず背の高いヒートシンクとラジエターファンに挟まれて,非常にアクセスしにくいです.

さらに,ROG Strix Z790-Iでは,出荷時コネクタにゴムのカバーが装着されています.これを外し忘れると,いくらケーブルのコネクタを上から押し付けても嵌りません.このあたり,事前に確認の上,ケーブルをつないでから取り付けたほうがいいですね.

RTX4000番台のグラボ

NR200P MAXは長さ336mmまでのGPUカードが収まるとされているのですが,RTX4000番台は慎重に選ばないと平気でこれを超えてきます.なので,物理サイズで選べる製品が限られます.PCIeカード本来の規格では長さ312mmが最大のようで,NR200やLian LI A4-H2Oは十分に条件を満たしているはずなんですけど.

シャープなデザインのMSIのRTX4070ti Ventus 3xがいいなと思ったのですが品切れ.同じくMSIのRTX4070ti GAMING X TRIOだと1mmオーバー.入るとは思うのですが,高価なGPUカードで無理はしたくありません.

TUF-RTX4070ti-12G-Gamingは長さ305mm,プレート2スロット・本体3スロット厚(65mm)なので,長さは余裕,ガラスパネルとの隙間もそれなりに残ります.

もしRTX4080を入れるとなると,MSIのGeForce RTX4080 VENTUS 3X OC(全長322mm)ぐらいしか選択肢がありません.ほぼヒートシンクの塊ですから,そろそろGPUカードも水冷が常識,の時代が来るかも.

PCIe電源ケーブル

RTX4000シリーズは補助電源コネクタが12VHPWRなので,変換ケーブルがついています.RTX4070tiの場合,8pinのPCIeコネクタを2つ繋ぐ仕様なのですが,分岐ケーブルではなくそれぞれPSUと直結するよう指示されています.

しかしPSU付属はすべて分岐ケーブル.余りの分岐部分が邪魔なので切ってしまいました.ショートが怖いので,断端は熱収縮チューブでカバーしておきました.


組み上げてから

組み上げて電源を入れ,BIOS (UEFI)を確認してからWindowsをインストールするわけなんですが,ネット接続のところで止まってしまいました.

今のWindowsはネット接続がないと一切先に進めません.

有線でつないでもダメで,ものは試しと手許にあったUSBイーサネットアダプタで接続したらうまくいきました.

初期不良か?と思いましたが,Windowsインストール後はマザーボードでちゃんとネット接続できました.Windowsが悪いのかマザーボードが悪いのか,ずっと待ってればなんとかなったのかわかりません.

Windowsのトラブルシューティング(別のデバイスでアクセスしろって出る!)は例によって全く役に立たないので,こういうことが無いようにマザーボード側で頑張ってほしいところです.Z690-Iのときは全く問題なかったんだけど.

サーマルスロットリング?

BIOSのアップデートをしてからCinebench R23を走らせてみると,30,000ptsには少し届かないな,という値でした.

i7-12700からは40%の性能向上で,正直すごいなと思う反面,あとちょっとで30,000なのに・・・という感情も残ります.人間は欲深いですね.

ベンチマークを始めるとあっという間にCPUパッケージ温度が100度まで上がります.たぶんサーマルスロットリングが起きていると思うのですが,それなりの値が出ているので,スロットルワークも進化しているんでしょうね.

ROG Strix Z790-Iには,Armoury CrateのオートチューニングやAI Cooling, HIVEのEZ mode AI OCボタンやらAI Suite 3(別途インストール)による最適化など,様々なチューニング手段が提供されています.でも,Cinebench R23のスコアについてはどれも似たり寄ったりでした.

NR200P MAXは280mmAIOなので,もう少し頑張ってくれてもいいような・・・水枕の取り付け方をもう一度見直してみますかね.

なお,私の使い方では,RTX4070tiのファンはほぼ止まったままです.ラジエターは排気で使っていますが,吸気を試してみてもいいかもしれないな,と思っています.

2023年2月10日金曜日

Lian Li A4-H2OでPCを組む

小型ケースにPCを組んでみました.Lian LiのA4-H2Oです.

以前NR200P Maxで組んだPCは快調に動作しているのですが,もう1台デスクトップPCを用意することになり,ケースを組み替えることにしました.

NR200P Maxにはi7-12700+RTX3060tiが収まっていたのですが,空間的にも冷却性能的にもかなり余裕があるようなので,これをより小型のケースに収め直し,空いたNR200P Maxにはより高性能なCPU+GPUを組もう,という作戦です.


パーツ選定

選んだケースはSFFの定番,Lian LiのA4-H2Oです.簡易水冷前提のケースで,NR200Pより一回り小型です.グラボはPCIeライザーケーブルで倒立設置するタイプです.

電源(PSU)はCorsairの750Wにしようと思ったのですが,Amazon売価が高かったのでCoolerMasterのV850にしました.

冷却系,A4-H2Oは240mmAIO一択です.製品は豊富にあるので,なんとなくASUSのTUF Gaming LC240 ARGBにしました.ヘッドのロゴを見なければ,どこのメーカーか分かりませんね.

配線方針の検討

小さいケースでは配線の取り回しが最大の問題です.外せるパネルはすべて取ってまずは下見します.特にこのケースではPSUまわりがキモになります.

PSUを仮に取り付けて様子を見ると,PSUの上に少し,下に大きな隙間があることが分かります.一方でマザーボード(MB)とPSUブラケットの隙間はわずかです.幸いブラケットは斜めに切り込まれた形状なので,脇を通すなら下方向にずらすのが良さそうです.

PCIeスロットは3スロット分ありますが,当方が取り付けるグラボ,MSIのVentus 2Xは2スロット型です.A4-H2OはPCIeソケット(ライザーカードの末端)を1スロット分外側にずらすことができる(20mmの六角スペーサーが添付されてる)ので,これを前提とすると20mmの「裏配線」スペースができます.なので,基本的にできるだけ配線を裏側に回す方向で行くことにします.

組み込み

主要なコネクタをMBにつないでしまってから組み込みを開始しました.CPU 8pin電源およびCPU Fan用分岐コネクタは上から裏へ,CPU 24pin主電源は脇から裏へ回します.

なお,このケースには電源ランプやリセットスイッチがありませんので,システムパネルヘッダーは不要です.なのでROG Strix Z690-I付属のドーターカード(ROG Strix フロントパネルSATAカード)は外してしまいました.

AIOのラジエターからのホースは,PSUの下を廻すことにしました.マニュアルやネット上の作例ではPSUの上を通すのが基本みたいですが,ホースを急角度で曲げたくなかったことと,PSU上側に排気が出るようなので,こうしました.LED付きなど背の高いメモリを使っている方は,上側からでないとダメかもしれません.

これで完璧な作戦・・・のはずなんですけど,実際に組み始めるとなかなかすんなりいきません.PSUをはめ込むと多くのケーブルやホースが事実上固定されてしまうので,PSUのネジ止めは最後にすべきかと思います.

ケースからのUSBやオーディオ配線に難しいところはありませんが,ケーブルの長さがマチマチで少々ごちゃっとします.

多少ギュウギュウしながらPSUを取り付け,なんとか形になりました.なお,取り回し的にポンプヘッド(のロゴ)は横向きになってしまいました.パネルをつけてしまえばあんまり見えませんけど.

裏側に出てきた配線たちはこんな感じ.CPU PUMPやCPU 8pin電源はラジエターファンと接触しないよう注意が必要です.CPU 24pin 主電源はケーブル長に余裕がなく,PSUに巻き付けるような取り付けになりました.下側からはARGBの分岐ケーブル(とPCIeのライザーケーブル)が来ます.

グラボまで取り付けるとこんな感じ.ケーブルマネジメントはどこいった?という感じですけど,グラボが小型なのでこのままでも支障なくパネルが閉まります.

このケースにフルサイズのグラボを入れる人はやっぱりすごいですね.


小さいから難しいんじゃなくて・・・

NR200P MAXと比べると,Lian Li A4-H2Oは確かに難易度が高いです.それは,小さいことが理由というよりも,ケーブルやホースの長さが専用に調整されていないから,だと思います.

NR200P MAXの素晴らしいところは,これらがピッタリでかつあらかじめ適切に配置されていること.だから迷うことなく組めます.

そのような「MAX」スタイルはもっと流行るんじゃないかと思っていましたが,追従するメーカーは現れないですね.専用の電源やAIOを作るのはハードルが高いかもしれませんが,PSU用のケーブルだけでも専用品にしてくれたら,ずいぶん組立の快適度が上がるんじゃないかと思います.