当初,イタリア人の運転は荒いのではないか?街中を運転するのはタイヘンなのではないか?とビビっていましたが,関西出身の日本人によると「大阪よりだいぶマシ」とのこと.南イタリアは別の国らしいですが・・・
実際,ヴィチェンツァ・パドヴァの運転マナーはかなり良いと感じます.ただし,街中には知っておくべきルールが沢山あります.これらに気を付けさえすれば,日本の大都市で車を運転していた人なら問題なく運転できると思います.AT車の確保は難しいですが・・・
(1)一方通行
欧州の旧市街は道幅が狭かったり,駐車スペースを確保する必要があったり,はたまた景観や雰囲気維持のため,一方通行が非常に多いです.むしろ,双方向の車線がある道路を「大通り」と受け止めるべきでしょう.そのため,すぐ近くの目的地まで行くのに大回りしなくてはならないことも頻繁にあります.でも大丈夫.Google Mapのナビ機能はかなり正確にルート案内してくれますので,スマートフォンで確認してから出かければ良いのです.
(2)バスレーン
旧市街では,公共交通が優先されており,バスやタクシー,トラムしか進入できないレーンが多数あります.これらのレーンには両側に太い黄線が引かれており,路面のところどころに BUS TAXI と記載されています.昼間はまず間違うことはないのですが,雨の夜間などは路面のテカリで良く分からないことがあります.なぜか他の車が進入しない交差点出路はちょっと注意したほうが良いでしょう.
右側はバスレーンになっていて,一般車は走行できません.つまり,一般車にとっては一方通行,バスやタクシーは双方向通行が可能,という仕組みです.一般車は遠回りする必要がありますが,そのおかげで公共交通の運行と駐車区画が確保されているわけで,なかなか合理的だと思います. |
(3)ZTL
Zona Traffico Limitatoの略で,要は一般車進入禁止区域です.ビチェンツァ・パドヴァにも多数設定されており,多くは旧市街中心部にあります.石畳の道はZTLになっている可能性が高いような・・・赤丸に白抜きの標識で必ず表示されているので,不注意で進入しないように.一方通行やバスレーンと同じく,ビデオカメラで監視されていて,違反すると後日反則金の振込用紙が送られてくるそうです.
ZTLを警告する看板.直進するとZTLですよ. |
(4)歩行者に注意
欧州での歩行者優先は徹底しています.信号がない横断歩道に歩行者がいたら,迷わず停止しなくてはいけません.歩行者の側は「当然の権利」と考えて横断してきます.それどころか,歩行者用信号が赤でも渡ってくる人もいますので,街中では常に注意が必要です.
自分が歩行者になったときは,逆にいつでも渡っていいはず・・・なのですが,日本の感覚でどうも遠慮してしまいます.
(5)駐車場所
イタリアにも日本のような駐車場ビルや地下駐車場があります.しかし,よく目につくのは路肩にある駐車スペースです.この駐車スペースには,大きく分けて白枠,青枠,黄枠があります.
白枠は無料で駐車可能.ただし,旧市街中心部にはほぼありません.
青枠は有料駐車スペース.近くにあるチケットベンダーでパーキングチケットを購入し,車のフロントガラスのよく見える場所に提示することで駐車が可能になります.駐車料金は場所によって異なり,旧市街中心部に近づくほど高くなります.パドヴァの旧市街でおよそ2ユーロ/時間ぐらいです.
こんな縦列駐車が一般的.ビチェンツァやパドヴァではちゃんと間隔をあけて停まっていますが,ミラノではビッチリ車が詰まっていました.「フランス式縦列駐車」をしているんでしょう,きっと. |
日本と違うのは,(制限が記載されている場合を除き)お金を払えば停めたいだけ停めて良い,ということ.最も,多くのパーキングチケットマシンはコインしか受け付けませんので,大量のコインを用意しておく必要がありますが.
黄枠は住民や作業車用のスペースですので,ヨソモノが駐車してはいけません.
これら以外の場所に停めるのは,当然駐車違反です.ヴィチェンンツァではあまり見かけませんが,パドヴァは大都市だけあって結構適当なようです.