2022年11月20日日曜日

SBEC009を修理に出す

暑い季節が過ぎたので,革ベルトに変えてみました.

ほぼ毎日使っていたゼンマイ時計,SEIKO SBEC009を修理に出しました.

理由は単純で,派手に進んだかと思うと止まってしまったりするようになったためです.

保証期間中なので無償でしたが,2週間ほどお店に預けることになりました.


修理から戻ってきて伝票を見ると,意外なことにトラブルの原因は「帯磁」とありました.

このSBEC009は絶妙にパワーリザーブが持たず,頻繁に手で巻き上げていたので,てっきり歯車のかみ合わせを悪くしてしまったか?と思ったのですがそうではないようです.

しかしながら,当方もさすがにゼンマイ時計を電子機器の上に置いたりはしていないので,正直「ホントかな?」と思わなくもありません.

2020年代に新発売された,十分な大きさと厚みを持ったケースに収納されている時計なのですから,簡単に帯磁してトラブルを起こすのはいかがなものか?と,それなりに高価なこともあって思います.

2022年11月14日月曜日

NASのファンを交換する

NASのケースファンを交換しました.

交換作業についての自己満足記録と,交換時にNASの構造を見て思うところあったので書き残しておきたいと思います.


NASのファンがうるさい!

当方,IO Data社のLAN DISK HDL2-H8というNASをスモールなオフィスに導入しております.

この機種はすでに生産終了品ですが,よく似た姿の製品が現行機種にもあります.

で,うるさいんですよファンの音が.

スマホの音量メーターで測るとさほどではないのですが,筐体にファンの音(風切り音)が共鳴して,コォォォォォ……というノイズを響かせるのです.これがすごく気に障るんです.

これまでの2年強は在宅勤務が多かったので,まあいいか,という感じだったのですが,オフィス滞在時間が戻ってくると耐え難い騒音なんです.

Admin画面から設定を探してもファン制御に関する項目がないので,それならファンを静音モデルに交換してしまえ!というわけです.

ファンのスペック

このNASは背面に排気用ファンが1基だけ設けられています.

プラスチック製のハウジングに収められていて,ネジ1本で交換できます.

ファン自体のサイズは80mm角×25mm厚の一般的なものです.

ちなみに,このハウジング付きファンは補修部品として販売されていたようで(現在は生産終了),交換手順も掲載されています.

元々付いていたファンはADDA社のAD0812XB-A7BGPという12VのPWMファンです.定格4500RPMとのこと.

いくらHDDが冷えても人間が壊れては元も子もないので,いわゆる静音ファンに交換しちゃいます.定番のnoctuaから同じサイズのNF-A8を用意しました.

ちなみに,両者のスペックを比較すると下表のような感じです.noctuaは消費エネルギーやパワーが少ない分,騒音レベルはかなり下がります.

名称定格出力定格回転数羽枚数排気量最大静圧騒音
m^3/hmmAqdB(A)
ADDA AD0812XB-A7BGP4.2W4500RPM7104.48.0547.0
noctua NF-A8 PWM0.96W2200RPM755.52.3717.7

ファンの交換

元のファンはゴム(シリコン?)のペグでケースに留まっているので,慎重に引き抜き,noctuaと交換します.ペグを通しにくかったので,四隅についていた防振パッドは外しました.

サイズが同じなので,当然ながらピッタリ収まります.なお,元のファンが排気方向だったので,同様に取り付けました.

コネクタが標準的なケースファンのものと違うので,noctuaに同梱されていた延長ケーブルを切って元のファンと同じタイプのコネクタをつけました.2.54mmピッチ・プリント基板用コネクタ・XH-4Aというタイプです.

なお,4本のケーブルは(-, +, FG, PWM)ですが,ADDAが(黒, 赤, 白, 青),noctuaが(黒, 黄, 緑, 青)でした.


取り付けてスイッチを入れると,無事にファンは回りました.完全無音ではありませんが,格段に静かです.

なにより耳障りな共鳴音が非常に小さくなったので,かなり満足しています.

起動後しばらくして管理画面からシステム情報を見ると,ファンは1300~1600RPMぐらいで回転しているようでした.まだ定格まで余裕があるようです.


NASのエアフローって・・・

ファン交換にあたってこのNASの設計にかなり疑問を感じたので,書き留めておこうと思います.

ファンをハウジングごと外すと,正面に緑の基盤が立ちはだかります.思わず「えっ」って声が出ました.

この基盤の向こうにHDDが2基並んで入っています.つまり,基盤に開けられた小さな穴から,ファンは必死に空気を吸っていたのです.

ケースを外して真横からみるとこんな感じ.いわゆる「ファン窒息」の状態です.

この基盤は写真の奥側にあるメイン基板から垂直に立ち上がっているので,メイン基板の熱気もかなり苦労してファンのところまでやってくることが想像できます.

さらにケース左右には前方にスリットがあり,主に空気は脇(写真の手前側)の空洞を流れているものと思われます.

素人の目でみて,エアフローがきちんと考えられた製品とはとても思えません.流路無視で設計された筐体のツケを,小型高回転のファンに負わせている,そんなふうに見えます.そりゃ騒音が大きくなるでしょうよ.

「NASのファンがうるさい」という声はネット上で散見されるのですが,質問サイトなどでは「うるさくて当然」「HDDを守ってるんだ」みたいなコメントばかりがついていました.

当方も以前は「そうなのかも」と思っていましたが,今回中身を見てからは「あんまり真剣に冷やさなくてもいいんじゃないの?」と思うようになりました.

少なくともスモールオフィス向け製品で「うるさくてよい」ことなど無いはず.消費エネルギーやファン寿命の観点からも好ましくないでしょう.

これからは「エアフローの設計」をちゃんと考えたと謳う製品の登場を期待したいです.

2022年11月7日月曜日

Austrian Audio Hi-X15を買いました

すんごい久しぶりにヘッドホンを買いました.新興ブランドAustrian Audioの最も低廉なモデル,Hi-X15というヤツです.

Designed and Engineerid in Vienna-Austriaって箱に書いてありますが,もちろんmade in China.

モノトーンが多いアナログ系オーディオ機器にあって,黒・銀・赤の成田エクスプレス的配色がカッコイイ.

音楽鑑賞とオンライン講演等での音声モニターの両睨みで選んでみました.

付属品はとてもアッサリしていて,1.4mのケーブルとキャリングポーチのみ.

ケーブルのヘッドホン側は2.5mmロック付きジャックになっています.

このケーブル長から考えて,ポータブル機器やパソコンへの接続が主眼であると思われます.

外観もカッコイイですが,イヤーパット内側に大きくL・Rって書いてあるのがとってもイイ!うっかりオジサンにもすぐ分かります.バンド長を調整するカチカチ・・・もいい感触です.総じて,モノとしての満足感があります.

イヤーパッドは柔らかくて,耳の周りをピッタリ覆います.気密されてるような気分になりますが,周囲の音はそれなりに聞こえます.音漏れも皆無ではないでしょう.

イヤーパッドの付け心地自体はとても良いのですが,ピッタリ付くので結構汗ばみます.これを付けたまま1日過ごす,といった用途には向いていないかもしれません.

音はどうなの?

まだ使い始めたばかりなのですが,当方がこれまで使ってきた安物ヘッドホンとはいろいろな点で違います.

意外だったのは,低音が結構鳴ってくれること.「プロフェッショナル」とか書いてあると,もっとあっさりした響きかと思ったのですが,単純に楽しいです.

レビュー動画等で「高音の表現に特徴がある」と言われていましたが・・・なんというか,全体的にカキカキしたような響きがあります.

画像処理でいうとエッジ強調フィルタがかかっているような感じでして,音声はとってもクリアに聞こえますし,いろいろな音に注意を向けるとちゃんと聞こえる,という印象です.

その一方で,トランペットが鳴り響いているような状況だと,あと一歩でノイズになっちゃうんじゃないかな・・・という攻め方をしているようにも思います.音量を上げると乱暴な鳴り方になるような気がして,低音量で聞くほうが適しているかも.

尤も,ビットレートが制限されているはずのYouTubeはすごくクリアに聞こえるので,当方の持っている音源が古かったり(1980年代のCDとか)出力側の機材が原因の可能性もあるので,持ち運んでいろんなものに繋いで聞いてみようと思います.

少なくともマイクのモニタ適性はとても高いように感じました.

ちなみに,製品紹介ページの下のほうにあるプロのコメントは上位機種のものなんですね・・・


機種選択

当方はリスニング用のヘッドフォンが欲しいわけですが,密閉型でちょっとイイものになると,どれもこれも「モニター」「スタジオ」「プロフェッショナル」の文字が並んで辟易します.

音楽鑑賞には開放型がよい,と頭で分かっていても,スピーカーで聴けない状況だからヘッドホンを使うわけですよ.だから相対的に音漏れが少ない密閉型に最初から決めていました.

音質については自分の耳に自信が無いので,様々なレビュー動画などを参考にしました.

最終的に家電量販店へ「かぶりに」行って,装着感を確認して決めました.

当方が比較したのは下表の機種たちです.ただ残念なことに,DENONのAH-D1200は実物展示がなく,最終候補にしませんでした.

ブランド機種名価格帯重量インピーダンス
SHURESRH-440A11,000270g40Ω
DENONAH-D120018,000260g24Ω
Austrian AudioHi-X1518,000255g25Ω
SHURESRH-840A21,000365g44Ω
SHURESRH-1540A66,000286g46Ω

購入にあたっては,SHUREのSRH-840AかAustrian Audio Hi-X15のどちらかで迷いました.

音質的にはSRH-840Aが手堅い選択だと思うのですが,Hi-X15と比べると重くて大きいのです.

すぐ隣にはSRH-1540Aがありまして,これが840Aより軽いうえにアルカンターラのイヤーパッドが実に心地いいのです.しかし高い・・・

反対側にはSRH-440Aが置かれていて,840Aと見た目はあまり変わらないうえに軽いのです.

きっと840Aを買っても1540Aの存在が頭から消えないだろうな,それならいっそ440Aでもいいか・・・しかしそこまで悩んでSHUREを買うか?と自問自答.

SHUREのヘッドホンは全体的に大きくて,しかも折りたためない,ということも気になりました(フラット形態にはできる).

Hi-X15は単純な機構ながら結構コンパクトになります.これなら出張に持っていくとか機内に持ち込むといったこともやりやすそう.

インピーダンスの低さからみても,Hi-X15は多用途を考慮していて,SHUREのヘッドホン達は自宅に置いて落ち着いて音楽を聴く,という感じなのでしょう.

ここはちょっと冒険してHi-X15にして,もし満足できないようなら思い切ってSRH-1540Aを買おう,と心に決めてレジに向かいました.