2023年1月16日月曜日

RAZER Huntsman mini:ハイパーシフト機能上書き

デフォルトでfnキー(ハイパーシフト)とのコンビネーションが割り当てられているキーは,Synapseで機能を変更することはできません.

しかし,そういうキーが多いので,希望の機能割り当て実現での障害になっています.当方もカーソルキーの割り当てを1段下げたくて,方法を探しました.

ここで,Synapseの定義ファイルを書き換えてこれを実現する方法をまとめます.

なお,この方法はこちらのwebを参考に当方が情報をまとめたもので,オフィシャルなものではありません.不具合が発生したり,今後対策されてしまう可能性もお含み下さい.

(追記)Microsoft純正のPowerToysというソフトを使うと,こんなことしなくても(ある程度)同様のことができますね.このソフトはPreview(バージョンがまだ1に到達していない)ですが,キーのScancodeに対して任意のKeycodeを割り当てられるKeyboard Managerという機能があります.

たとえばfn+.キーにカーソル右を割り当てたければ,Huntsman miniがfn+.でinsを出力するので,PowerToysでinsにRight(カーソル右)を割り当てれば,同様のことができます.

たぶんバックライト調整など(fn+Gなど)を上書きしたいときは,本ページの方法が必要になるのだと思います.

This page explains how we assing a hypershift function to a key that has a default hypershift function. Please note the procedure is unofficial, no guarantee. Please consider your own risk if you try.


ここではfn+Kキーにカーソル上(Up)を割り当てる操作を例に説明します.

fn+Kキーにはデフォルトでカーソル下(Down)が割り当てられていて,Synapseでは変更できないと言われてしまいます.

そこでプロファイルを一旦エクスポートし,そのファイルを書き換えて再びインポートすることで,割り当てを変更します.

I. 準備

  1. Synapseで新しいプロファイルを作成する.
  2. そのプロファイルをエクスポートする.
  3. エクスポートしたファイルは.synapse3という拡張子だが,これを.zipに書き換える.実はZIPファイルなのです.
  4. ZIPファイルを開きFeaturesフォルダを開く.
  5. 中にUUID名のフォルダがあるので開く.
  6. 5つのUUID名のxmlファイルがあるので,762555eb...というxmlファイルを作業用フォルダにコピーする.

II. 書き換え

  1. 次節の表1から目的とするキーのHID_Idを確認する.Kの場合は14.
  2. 先ほどのxmlファイルをエディタで開く.<Mapping>~</Mapping>に各キーの割り当てが定義されている.<HID_Id>が4から順番に標準状態でのキー設定が書かれていて,一巡すると今度は<IsHyperShift>true</IsHypserShift>が先頭に書かれたハイパーシフトでの定義が書かれている.
  3. ハイパーシフト定義のあるHID_Idが14の項目を探し出す.
  4. 下図青枠のように記載を変更する.具体的には次の3項目を変更する.
    • 先頭に<IsDefault>false</IsDefault>を挿入.
    • <KeyAssignment>~</KeyAssignment>の間を変更する.ここでScancode=72はUp,そのKeycode=38である(表2).
    • </KeyAssignment>の次行に<UIMappingType>Navigation</UIMappingType>を挿入する.
  5. ファイルをセーブし,ZIPファイルの元のフォルダに戻す(上書きする).
  6. ZIPファイルの拡張子を.synapse3に戻す.

III. インポート

  1. (任意)先ほど作ったプロファイルを一旦消去する.※消去しなくても大丈夫だが,どうせ元のプロファイルは使わないので.
  2. Synapseのインポートで先ほど書き換えた.synapse3ファイルを指定し,お目当てのプロファイルをインポートする.
  3. Synaposeの画面上でキーの書き換えがなされていることを確認する.相変わらず「割り当てできません」と言われるが,該当キーはユーザーによる変更がなされているオレンジ色に変わっていて,実際に機能も書き換えられている(はず).
  4. 念のためPCを再起動する.

スキャンコード・キーコード

HID_IdというのがHmmでの物理キーを指定しているような気がしております(教えて偉い人).なぜか4から始まります.

ScancodeってのがキーボードからPCへ伝えられる入力だと思います.KeycodeがそのScancodeに応じて実際に現れる文字コードなんでしょうたぶん.

バックスラッシュ(\)は2つのHID_Idが同じKeycodeを指してますね.逆に,物理的に同じキーのはずのESCと`は別のHID_Idになってます.

HyperShiftのところもおおよそ同じようなScancodeが書いてあるのですが,一部違っています.かといって(デフォルトの場合)そのScancodeが入力されている様子もないのです.デフォルトだとfnキー押下時の動作は別なんでしょうかね.

表1:HID_Idが割り当てられているScancode
HID_IdScancodeKeycodeHID_IdScancodeKeycode
430A3576
548B3687
646C3798
732D38109
818E39110
933F4028Enter
1034G411Esc
1135H4214Backspace
1223I4315Tab
1336J4457space
1437K4512-
1538L4613=
1650M4726[
1749N4827]
1824O4943\
1925P5043\
2016Q5139;
2119R5240'
2231S5341`
2320T5451,
2422U5552.
2547V5653/
2617W5758CapsLock
2745X10086
2821Y10193
2944Z22429LCtrl
302122542LShift
313222656LAlt
324322829LCtrl
335422954RShift
346523056LAlt

表2:HID_Idのない(実体キーのない)Scancode
ScancodeKeyFunctionKeycode
59F1112
60F2113
61F3114
62F4115
63F5116
64F6117
65F7118
66F8119
67F9120
68F10121
69NumLock144
70ScrollLock145
71KP-7Home36
72KP-8Up38
73KP-9PgUp33
75KP-4Left37
76KP-5
77KP-6Right39
79KP-1End35
80KP-2Down40
81KP-3PgDn34
82KP-0Insert45
83KP-.Delete46

2023年1月14日土曜日

Happy Hacking Keyboard から RAZER Huntsman mini へ

キーボードを更新してみました.RAZERのHuntsman miniです.

置き換え前は25年間Happy Hacking Keyboard (HHK)を使っておりまして,メインに2017年モデルのProfessional2 type-s(ホワイト),サブに2005年と2018年のProfessional/2(ブラック)の合計3台という構成でした.これを一気に全て置き換えました.

US配列が選べることも含め,かつてコンパクトなキーボードといえばHHK一択という状況でしたが,近年は60%キーボードと称してUS配列はもちろん,打鍵感を決めるキースイッチもいろいろ選べるようになりました.

HHK Professionalはtype-sと比較するとやや打鍵感が劣ります.type-sに買い替えようかとも思ったのですが,高価なんですよね.

そこで,サイズ感が近くブランドがそれなりに著名なRAZERのキーボード,Huntsman mini(以下Hmm)にしてみたのです.HHK type-s1台分のお金で3台買えます!


打鍵感の違い

Hmmのキースイッチには「紫」光学クリッキー,「赤」光学リニア,「黒」アナログの3種類があります.気分一新でクリッキーなものが欲しかったので,紫をメインに白黒1台ずつ,残りの1台は比較してみようと赤を選びました.

クリッキー

「紫」を打ってみると,ノリの良いクリック音がしますが,クリック感はさほどでもありません.むしろ,クリック感自体はHHK type-sのほうが感じます.また打鍵音ですが,押し込んでクリックしたときよりもキーが戻ってきて上端に当たるときのほうが大きな音が出ているようにも感じます.

なんとなくですが,打鍵音がハッキリすると軽く打てる(力を抜くタイミングが早くなった)ような気がします.高級感は圧倒的にHHK type-sが上だと思いますが,感触はとても気に入りました.

リニア

静音型とされる「赤」を打ってみると,リニアの名の通りほぼクリック感はありません.ただ,しばらく打ってみると,それなりに「紫」と共通する打鍵感に思われてきました.良くチューニングされているという印象です.

それでも,若干押下力が強めの設定となっており,底打ちするような打鍵になりがちではあります.悪くはないけど,クリッキーのほうに魅力を感じます.

なお,HHKは押しはじめにちょっとした力のピークがあり,「赤」よりはクリック感があります.

驚いたことに,静音性能はかなり高く,HHKのProfessional (type-sでないヤツ)よりも静かだと感じました.「紫」でウルサイと苦情を受けた方も「赤」ならまず大丈夫でしょう.


筐体の違い

HHKとHmmを並べてみると,横幅はほぼ同じ.奥行は,ベゼル的な部分がある分HHKのほうが少しだけ大きいです.背側のベゼルが薄いとキーボード全体がかなり小さく見えます.

机に座ってキーボードに正対すると,後ろ側のフチがキーに隠れて見えないので,キーだけが浮いているように見えるのです.

Hmmはキースイッチが露出しているデザインなので,一見HHKよりキートップが低いような印象を受けますが,比べてみるとむしろ高いです.デフォルトのカーソルキーが2段目のJKLと3段目のIを0段目(最下段)にあるfnと同時押しさせるようになっていることを考えると,「手の大きな人種向けだな」という印象を受けます.

手の小さな当方でも通常のキーを打つのに支障はありませんが,fnキーはシフトキーと同列(1段目)に置いてほしかったな.


HHKの思い出

HHKの良さは外形が小さいことだけでなく,ホームポジションからできるだけ手を動かさずに完結させられるよう配慮された点にあります.カーソルキーが変な位置にあるような気がしますが,右手を横にスライドさせるだけなので慣れると違和感ありません.

また,Hmmと比べると,手の小さめな(日本人に適した)キー配置を追求しているようにも感じました.

現在でも機能的に劣ることは何もないと思うのですが,当方が使っているタイプはWindowsキーが無いとか,Windowsでは機能しないキーがあるとか,ちょっと古い印象が否めなくなってきました.

また,キーの押下力はやや重めで,歳をとってくるともう少し軽いのがいいな,とも感じます.いまやキースイッチを選べる時代なので,HHKもバリエーションが欲しいです.

とはいえ,type-sを3台買うとなると10万円を超えちゃうので,そもそも客層が違うのでしょうけれども.


追記

Amazonのレビューに「Fnキーが起動しないと効かないのでBIOSに入れない」といったものがありましたが,当方が試したところオリジナルのFnキーを使ってコンビネーションを押す限りはちゃんとDELも入力できてBIOS (UEFI)に入れました.別のキーボードはなくても大丈夫そうです.

2023年1月10日火曜日

冬の自転車通勤にサイクルオーバーグローブ

冬の自転車通勤通勤のためにMont-bellのサイクルオーバーグローブを購入しました.

これまではウインドストッパーサイクルグローブを使ってきたのですが,やっぱり冬は寒いです.左手の小指が動かなくなるぐらい冷えるので,使い捨てカイロをニギニギしながら走っていましたが,快適とは言えません.

そこで一段防寒性能の高いグローブを探しました.

同じモンベルだとウインドストッパーインシュレーテッドサイクルグローブというのがあって,コレかな・・・と思って手にとると,すぐ隣にサイクルオーバーグローブという重ね付け用のグローブがありました.

どっちがいいのか?と店員さんに尋ねると,少し考えてから「僕ならオーバーグローブにしますね.暑ければ外してインナーグローブだけにできますし」とのお答えだったので,オーバーグローブを購入しました.

このオーバーグローブ,薄手でヘロヘロな感じなので「安いのかな?」と思ったら全く逆.ごついウインドストッパーインシュレーテッドグローブ(7,150円税込)より高価で9,350円(税込)もします.マジか!

ちなみにサイズですが,内部に着けるグローブのサイズを選べばOKとのことでした.つまり,インナーグローブがSサイズならオーバーグローブもSで,とのことです.実際,それでちゃんと装着できています.

内側のグローブは,当初ウインドストッパーサイクルグローブを着けていたのですが,パッド入りだし重ね付けだと感触がよくありません.Amazonを適当に漁って,ミズノのブレスサーモグローブを購入しました.

重ね付けしてみると,決して暖かくはないものの小指がかじかんでどうにも,という状況にはならないので,それなりに効果があるようです.

ただ,操作感はかなり下がります.ブレーキングやギアチェンジは問題ないのですが,ヘルメットひもの着脱が難しい.慣れもあると思うのですが,指先の感覚が効かなくなるのがちょっとツライ.スマホ対応の指先なので,スマホの操作は可能です.

来シーズンはまた別のグローブを探しちゃうかも.