2020年11月20日金曜日

eGPUの安定性

Dell XPS13 (9310)に買い替えてひそかに期待していたのは,外付けThunderboltデバイスの安定性,具体的にはeGPUとの相性が改善するのではないかということです.

結論から言って,常用可能なレベルの安定性が得られるようになりました.Thunderbolt4は安定性重視だそうですが,それなりに功を奏したといえそうです.

スキンシール貼りました.


ここまでの軌跡

eGPUの話ってMacの例が多く,Windows PCでの実施例って検索しても有名な数例しかヒットしないんですよね.それらでも継続的な使用に耐えているのか,なかなかわかりません.ここでは,自己満足的に当方の軌跡を記録しておきたいと思います.

使用eGPU

使用している外付けGPUボックスはRAZER CORE X Chromaです.電源容量も大きくUSBハブにもなる,最も確実な選択だと思います.

取り付けたGPUはNVIDIAのGTX1660Tiです.選択にあまり深い意味はないのですが,Thunderbolt3の外部PCIeは4レーン相当だそうなので,強力なGPUでもCPU側との通信がボトルネックになる可能性があります.

ケーブルは付属のThunderbolt3ケーブル.50cmと短いですが,不安定の原因になるとイヤなのでガマンしています.

ディスプレイはLG 27UD88-Wという4KディスプレイをGTX1660TiにDisplay Port (DP)で接続し4K-60Hz表示を指定しています.PC本体のディスプレイは非表示にしています.

当方のPCは仕事用でゲームは一切しませんが,ドライバはデフォルトのままにしています.またNVIDIAコントロールパネルのほか,RAZER Centralもインストーラーに言われるがままに入れています.

マシンとの相性

表にまとめると次のような感じです.

機種名インタフェイスeGPU相性
Dell XPS13 (9310)TB4
HP Spectre x360 13 (2019)TB3×
HP elite x2 1012 G2TB3
(参考)Surface GoUSB-C認識せず

まず当然の確認ですが,Thunderbolt3でないUSB-CにRAZER COREを接続しても認識しません.Thunderbolt機器なんです.

Thunderboltを備えたPCでは基本的に動作するのですが,画面スリープからの復帰と本体再起動が鬼門になります.

2017年モデルのHP elite x2 1012 G2(長い名前だ)は比較的安定して動作しました.ただし,DPでeGPUとディスプレイを接続していると,初回起動時は画面がでません.そのまま再起動すると出ます.また,HDMI接続にすると問題ないのですが,なぜかリフレッシュレートが30Hzになってしまいます.

この頃のWindows10はThunderbolt機器がそれなりに特別扱いになっていて,インストール時(初回接続時)にどのような扱にするか,いくつか選択肢が表示されました.

2019年モデルのHP Spectre x360 13は,ディスプレイ消灯からの復帰が大変な鬼門で,うっかりディスプレイが休止すると,復帰時に本体の動作が固まる-->しばらくたってブルースクリーン&自動修復-->再起動,というプロセスが必要で参りました.結局,eGPUはしばらくお蔵入りとなりました.

この頃のWindows10から,Thunderbolt機器であっても初回接続時にバックグラウンドで自動的にドライバがインストールされ,使用可能になったら通知されるだけとなりました.

2020年モデルのDell XPS13 (9310)はまずまずの安定性を誇り,ディスプレイ休止も再起動も問題なくこなします.ただ,初回起動はeGPUを接続してから行う必要があるようで,これをやらないとeGPUが認識されないようです.

追記1:背面のUSBハブも良好に動作していて,キーボード・マウス・Webカメラがきちんと機能しています.

追記2:RAZER CORE X Chromaの主電源を入れ忘れてケーブルをPCに接続し,起動してから「あ,イカン」とケーブルを抜くと,ちゃんとGPUとの接続が解除された旨の警告がでます.主電源入れなくて分かるんだ・・・

パフォーマンス

GPUを活用するアプリであれば,かなりの性能向上を体感できます.

DELL XPS13 (9310)にてBlenderのBMWベンチで比べると,内蔵グラフィクス(Iris Xe)で531秒かかるところを101秒で終えます.

ただ,i7-7600UのHP elite x2 1012 G2にGTX1660Tiだと98秒でした.微妙にオーバーヘッドが増えているのかな・・・このときは内蔵グラフィクスの性能が低かったので,10倍以上の性能向上でした.


実は当方のXPS13,オンボードのメモリに異常があり修理送りになってしまいました.当初はeGPUのせいでブルースクリーンが頻発するのかと思ってガッカリしましたが,何度目かの再起動でけたたましいビープ音と共にメモリーエラーが発生.メイン基板交換となりました.

ようやくeGPUがほぼ平穏に使えるようになり,肩をなでおろしているところです.この手のシステムは原因追及が大変で,人に勧められるかと言われればNOなのですが,画像処理においてGPUは非常に強力で,抗しがたい魅力を持っているのも確かです.

これから内蔵GPUもどんどん進化し集積度合も上がってくると思うのですが,同じ技術を使えばdGPUもさらに進化するわけなので,しばらくは悩みが続くのではないかと思います.

追記

コメントでご指摘いただいた「高速スタートアップをオフ」はDELL機でも効果がありました.

週末,自宅で普通のUSB-Cディスプレイに接続して使い,週明けにeGPUと接続するとブルースクリーンが出る場合がありました.高速スタートアップを停止してからはそのようなトラブルは出ていないので,確かに意味があるようです.少し起動時間は長くなりますが,かつてのWindows機と比べればとても短いです.

それでも,ユーザー認証が終わるまでは本体液晶にしか画面が出ない場合があり・・・奥が深いです.そうならな場合のほうが多いのですが.

2 件のコメント:

  1. 起動、再起動関連の不具合は高速スタートアップを無効にすれば治るかもしれないです。
    もう試していましたらすいません。

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  2. なるほど,そうなのですね.ご教授ありがとうございます.DELLでトラブルが出ないのは,そのあたりHPとは微妙な違いがあるんでしょうかね.ドライバを組み込む順番とか,大昔に苦労した記憶が・・・

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