逡巡した上で50mmマクロを買いました.SEL50M28です.
α6000に何か単焦点レンズを買いたい・・・そんな不純な動機でスタートした個人的レンズ購入劇ですが,少ない予算と他のレンズ達の失業問題を考えた結果,「寄れるレンズにしよう」とマクロを選びました.
APS機での50mmは35mm版換算で75mmとなり,RX100M3のカバー範囲からギリギリ外れること,F2.8とキットのズームレンズより明るいこと,AFでありマクロなのでオールドレンズ群とは機能が違うこと,などから決めました.
オレンジの箱から緩衝材のプチプチにくるまれて素っ気なく現れたその姿,ミノルタα時代の50mmマクロによく似ています.実は当方,20年以上前に父からα303siを「お下がり」でもらい,50mmマクロを自分で買って付けていたのです.もらったときに付いていた「オートパワーズーム」は勝手にズームするんですよね・・・
早速α6000に取り付けてみます.35mm版フルフレームに対応していますがさほど鏡筒は太くなく,違和感なくマッチしているのではないでしょうか.元々等倍マクロですので,APS-Cだと35mm版換算75mmの等倍超えマクロになります.
さて,適当な被写体に向けてみますと「ウィーン」と実に懐かしい音がしてAFが動作します.この音もミノルタ時代によく似ているような・・・マクロレンズなのでフォーカス合わせ量を微小にできるのは良いのですが,「古臭いなあ」と思ったのも正直なところです.
写りを云々する技量が当方にはありませんが,フォーカスリミッターで被写体までの距離を指示してやればいくらか合焦も早くなります.なお,フォーカスリミッターはMF時も有効なので注意が必要です.何で合焦しないんだろう・・・と少し悩みました.
また,α6000のプログラムモードで撮影すると,絞りは開放にせずISO感度を上げてくるようです.なんだかずいぶんノイジーな絵だな・・・と思ったら,気付かぬうちにISO 6400といった値になっていました.マクロで撮るのにシャープでないとガッカリですから,ISO 1600を超えないように気を付けないと.
ただ,やっぱり,普通のレンズとして使うとなると「最新デバイス感」が薄い・・・撮影目的のはっきりしない素人は夢見がちです.
早くも次は評判の高いSEL24F18か,それとも面白系のSEL28F20か・・・などと妄想が広がります.
マクロレンズについて調べたこと
被写体を大きく写すレンズのことをマクロレンズと言います.一般的には被写体に近づけるレンズのことがイメージされますが,本来は大きく写すことができればいいので「撮影倍率」が重要になります.
一眼レフ時代は50mmで0.5倍の「ハーフマクロ」,100mmで1.0倍の「等倍マクロ」が一般的でした.35mm版フィルムの対角線はおよそ50mm(2インチ弱)ですから,ここに「等倍」で写った映像を20インチのモニタで見れば10倍に拡大しているかのように見えるわけですね.
例えばニコンの「マイクロレンズ」AI AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-EDは最短撮影距離50cmと絶対値としてすごく寄れるわけではありませんが,200mmという焦点距離を生かして等倍マクロになっています.
逆に,大人気のSEL24F18Z(35mm版換算36mm)は最小撮影距離16cmと「寄れる」けれども最大撮影倍率が0.25倍なのでマクロとは呼ばれていませんね.
さて,Eマウント純正マクロレンズとしては,30mm(APS専用),50mm,90mmがあります.焦点距離が短いほど広角になるため,画面いっぱいに被写体を撮影しようとすると「寄る必要が」生じます.「寄れる」のがマクロレンズの長所の1つではありますが,「寄らなくてはならない」となるとまた別です.
例えば昆虫など近づきすぎると逃げてしまうような相手だと,広角レンズでは小さめに撮影して後から余計な部分をトリミングする,といった形になります.近づきすぎると被写体がレンズやカメラの影になってしまう,ということもあり得ます.
またパース(パースペクティブ,遠近感)は一種の像のゆがみですが,撮影距離が近いほどパースが強く出ます.遠近感があると迫力ある写真になりますが,記録写真的にはどうでしょう.
そう考えると,何を撮りたいかによってマクロレンズもキチンと焦点距離を選ばなければいけない,ということですね.ある被写体をクローズアップするのではなく,近くのものを広く絵に収めたいのであれば,マクロレンズにこだわるよりも,最短撮影距離が短い広角レンズが最適,といえそうです.
先出のSEL24F18Zは広角な上に最短撮影距離が短いので,席に座ったままテーブル上の料理を収めるのに最適,とされているようです.そういった撮影目的を持った方々にはマクロレンズよりずっと合っていると言えるでしょう.
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