2013年3月20日水曜日

イタリアの銀行(4)オンラインバンキング

さて,イタリアの銀行でもオンラインバンキングはごく一般的になってきているようです.対応にばらつきがあり,よく待たされる銀行の窓口に対し,PCでいつでも操作できるオンライン版は外国人にとってありがたい限りです.なにしろ,たいていの銀行店舗の入り口は,秘密戦隊の基地に入構するかの如く1人ずつしか通れないゲートがあり,心理的なバリアも非常に高いのです.

残念なことに私がお世話になっている銀行のWEBはイタリア語のみなのですが,使う用語は決まっていますから,さほど迷うことはないと思います.欧州の銀行は,振り込み口座を指定するのにIBANと呼ばれる銀行識別コードを含め,長ーい口座番号を入力しなくてはならないため,振り込み先を登録しておけるオンラインバンキングはこの点でも便利です.

銀行によっては,iPadやiPhone用のアプリも用意されているようです.尤も,印刷ができないiPadでは,私は怖くて手続きする気になれませんでしたが.

オンラインバンキングでは,ワンタイムパスワードを多用します.おそらく,口座開設が無事に済めば,ワンタイムパスワード発生器を貸与してくれるはずです.私の友人に,ワンタイムパスワード発生器をなぜか貸与してもらえず,延々窓口に通っていた,という方もいました.何事もイタリア,手続きのときにできるだけ確認し,希望はとにかく全部言っておくのが大切なようです.

2013年3月10日日曜日

イタリアの銀行(3)バンコマット

イタリアでは,バンコマットと呼ばれるデビッドカードが多用されています.
(先に紹介したATMのことも「バンコマット」と言います.ややこしいですね.)

私もよく使いますが,クレジットカード機能も持っているので注意が必要です.店員さんは「クレジットかバンコマットか?」と聞いてきますし,自動券売機などでも選択入力の必要があります.

バンコマットの良いところは,現金と同じ,ということでしょう.特急列車の指定券を払い戻す機会があったのですが,バンコマットで買った券は(手数料を大幅に引かれた後)払い戻し金を現金で受け取ることができました.クレジットカードで購入していると払い戻しできない,という噂も耳にしますので,バンコマットの効果があるようです.もっとも,クレジットカード云々の話は,係員が操作を知らないとか,単にメンドクサかった,という可能性もありますが.

逆に,バンコマットで決済してしまうと,後から支払いを止める,といったようなことはできません.また,レンタカーはデポジット替わりにクレジットカードの提示を求めてきますので,バンコマットはダメなようです.円高のときにお金を移したので,できればバンコマットで払いたいのですが・・・

なお,トラベラーズチェック(TC)は本当に使えません.銀行ですら換金を断られるか,8%を超えるような手数料を取られます.アメリカンエクスプレスなど,TCの発行会社なら換金してくれると思いますが,ベネチアにあったアメックスのオフィスが閉鎖されて久しい今となっては,ミラノかローマに住んでいる方でないと無理でしょう.

2013年3月6日水曜日

イタリアの銀行(2)ATM

街中には,銀行店舗だけでなく,多数のATMがあります.

このATM,大抵がクレジットカードによる国際キャッシングと,銀行口座へのアクセスの両方の機能を持っています.多くのヨーロッパ諸国と同様,ATMは24時間稼働しており,いつでも現金を引き出すことができます.もちろん治安上注意が必要ですが.

日本のように,店舗の中にもあるのですが,なぜか建物の壁面にポツンと取り付けられているものが非常に多くあります.パドヴァやビチェンツァの場合は,さほど治安面での心配はいらないと思うのですが,ローマなどでは気をつけたほうがいいようです.

イタリアらしいな,と思うのは,ATMによって銀行口座からの出金ができるものとそうでないものがあるようなのです.

私のアパートメントのすぐそばに,口座のある銀行の支店がデーンと建っていて,カベにATMが収まっています.その表通り側のATMはなぜか国際キャッシングしかできず,当初は「そんなものなのかな?」と思っていました.ところが,裏通り側のATMでは,ちゃんと口座からの直接出金が可能でした.なんだ,手数料損しちゃったよ・・・自分の口座からの引き落としは手数料ナシです.

ちなみに,当方が住友VISAで国際キャッシングしたところ,手数料は現地の銀行が2%程度(時と場所によって違う),加えてVISAの手数料が210円かかっていました.また,キャッシングにせよ口座からの出金にせよ,日本のように「自由に金額を指定する」ことはできず,いくつか決まった金額から選ぶ必要があります.日本の両替所で,外貨パックを購入するような感じです.

2013年2月26日火曜日

イタリアの銀行(1)口座維持手数料

ベネチアやジェノバ,ピサを擁するイタリア.銀行業にも古い歴史があります.もちろん黒い話も事欠かないのですが・・・

イタリアにも多数銀行がありますが,それらに共通する特徴は「口座の維持にお金がかかる」ということです.銀行によって,あるいはマネープランによって金額は変わるようなのですが,普通口座は日本で言う当座預金のようなイメージなのかもしれません.

もちろん,振込には振込手数料,小切手なら発行手数料など,サービスに応じていろいろ手数料が追加されます.自行以外のATMから預金を引き出すときに手数料がかかるのも同じです.

もっとも,外国人にとっては銀行口座を開くこと自体が戦いなので,あまり手数料を気にする暇はないかもしれません.私は,受け入れ先の先生のお勧めに従いましたが,そのお勧めの理由の1つに「先生一家と長い付き合いだから」というのもありました.もちろん,支店が多数あって,実際に便利なのですが,手数料が安いかというと疑問です.

2013年2月20日水曜日

イタリアでポニョを見る

我が家は短期滞在というこもあり(本当はイタリア語での手続きが難しいので),家庭のテレビには無料チャンネルしか映りません.

イタリアには本当に多数のテレビチャンネルがあるのですが,我が家で日本語の放送を見ることはできません.40番台の,いわゆるアニメチャンネルでは,ドラえもんなど日本のアニメをやっているのですが,イタリア語吹き替えのみで副音声もなく,日本語を聞くことはできません.懐かしいトムとジェリーやポパイなどは音声がなくても楽しめるので良いのですが,若干フラストレーションが溜まります.

そんな折,書店のDVDコーナーに行くと,さすがに宮崎駿のアニメ作品はしっかり並んでいます.それらはイタリア語と日本語が選択できるので,ポニョを買ってみました.

なかなか難解な作品ではありますが,子供は大喜びで繰り返し見ています.やはりベネチア映画祭に出品されるなど,「芸術」としての認知が高まると,こういう面で日本人にメリットがあるな,と思います.

ポニョ.題名もちゃんとイタリア語で「崖の上の」ってなってます.


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なお,ポニョは2008年公開の作品ですが,我が家はDVDで初めて見ました.なんというか,懐深いですね.ネット上には既に様々な考察が披露されていますが,思わずひとこと持論を言いたくなる,そんな作りになっていますね.どうもオジサンには不気味な演出が多くて・・・

人魚姫がモチーフ,ということですので,「命の取引」がどこかに組み込まれているんでしょう.それが明確に提示されていないので,大人は不安になってアレコレ詮索するわけですね.上手いというより狡猾な感じもしますが,そこが作品の魅力なんでしょう.

2013年2月12日火曜日

iモードメール

日本ではごく普通に利用しているiモードメールなどの携帯メールは,海外に行くと厄介な存在です.

注意が必要なのは,日本のiモード端末を海外に持ち出してのiモードメール読み書きです.

海外でiモードメールを受信する場合,1回で50円もしくは100円が必ずかかります[1].送信時も同様です.50円か100円かは地域・事業者によって異なり,[2]で調べる必要があります.ちなみにイタリアの事業者はグループA(50円グループ)のようです.自動受信&都度返信などしているとタイヘンなことになります.
[1] http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/content/imode_m/index.html
[2] http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/area/index.html

もちろん,最低パケット料金を上回る数・量のメールを送受信する場合は,それに応じてパケット料もかかります.海外パケット定額もありますが,青天井でないだけで,結構な金額になりえます.しかも日本国内でパケット定額プラン加入が必須です.FOMAなどで0円スタートのパケット定額に加入できる方は良いかもしれませんが,Xiなどでは最低2,100円/月の定額料がかかります.1か月未満の滞在者向けでしょう.

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そういうわけで,海外でiモードメールを読み書きするには,現地SIMをスマートフォンに挿し,ドコモのサービス「iモード.net」に加入し(210円/月),「Imoni」などのアプリを使うのが良い,はずです.端末のSIMロック解除料を支払っても十分ペイすると思います.

これで現地SIMの通信量を使い切るまで存分にiモードメールを使える・・・わけですが,1つ気をつけなくてはいけないことがあります.それは,30日間に1000通以上のiモードメールはやりとりできない,ということです.

これはiモードメールセンター,及びiモード.netの仕様に起因するものです.iモード.netでiモードメールを消去しても,センターからは消去されません.センターは1000通までしかメールを保持せず,メールが自動的に消えるのは受信から720時間(つまり30日)の経過が必要です.

iモードメールをチャットのように使う方,メールマガジンをたくさん取っている方,迷惑メールが多い方,他のメールを転送している方など,1日平均30通を超えるような使い方をしている方は要注意です(そんなにいないと思いますが).

可能であれば,gmail等でアカウントを生成し,iモードメール相手にはそちらで送信・受信許可をしてもらうようお願いして,できるだけiモードメールへの依存を減らすようにすべきでしょう.なにしろiモードメールのために,ドコモ基本料+iモード料+.net料(私の場合,税込1,305円)を払い続けているわけですから・・・海外赴任をきっかけに,キャリアメールとオサラバしたいですね.

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なお,欧州では携帯端末同士のやりとりはSMS(ショートメールシステム)が一般的です.端末が日本語に対応していれば,全く問題なく日本語SMSもやりとり出来ています.

2013年2月11日月曜日

学校(3):授業など

小学校高学年の授業内容を見ますと,明らかに最も重視されているのは算数.週5日のうち4日で実施されます.次いで英語,イタリア語と語学です.全くイタリア語が分からないわが子とネイティブイタリアンでは差がありすぎますので,イタリア語に関しては特別クラスを用意してくれました.

英語に関しては自助努力が求められるようです.ベルリッツに1年弱通った我が子では,当初全く歯が立たない様子でした.ただ,先生に聞きたい・言いたいことが全く言えないのでは困るので,何かあると私が紙に英文で質問やメッセージを書き,子供にはそれを指さすようにいいました.とりあえず,嫌がらずに学校へ行っているので,何とかなっているのでしょう.

算数のレベルは,明らかに日本の学校よりのんびりペースです.公文や塾で勉強している子なら,内容は全く問題ないでしょう.ただし,当然ながら全て英文ですので,英文法が全く頭に入っていない我が子には,問題文を理解させるので一苦労です.また,正しく答えを書く(例えば「何本鉛筆を買いましたか?」と聞かれたら,「5本買いました.」と答える)のも,英作文などやったことがない子には少々辛いかもしれません.

理科や社会は「トピック」とひとまとめにされ,週替わりで提供されました.理科はともかく,社会に含まれる地理や歴史は,当然ながらイタリア,ヨーロッパ中心ですので,大人でもよくわかないことが沢山でてきます.イタリアの山脈の特徴を列挙せよ,など.Wikipediaに非常にお世話になりました.

体育は日本と異なり,全く重視されません.やりたくない子はやらなくていい,そんなレベルです.むろん,わが子は体育こそ喜んでやっていましたが・・・日本の学校が強制的に運動させるのは,やはり軍隊が発想の源だからか,などと思ったりもします.学校にプールなどありませんので,イタリア人の大人は泳げない人も多いとか.

2013年2月10日日曜日

学校(2):インターナショナルスクールを見つける

イタリア語を基本言語にしない学校にはいくつかあり,アメリカンスクールやジャーマンスクール,チャイナスクールなどがあるようです.しかし,アメリカンスクールは米語を母語とする子弟のみ受け入れということで(事実上米軍向けか),日本人短期滞在者にはちょっと厳しいです.そうなると,おのずと私立のインターナショナルスクールということになります.

私が調べた範囲では,International Schoolと銘打つ学校はパドヴァに2校,ビチェンツァに1校ありました.私はパドヴァの2校を比較して決めました.初回は単身で訪問し,施設や環境を見学すると共に受け入れの可能性や手続き(入学試験はあるか?など)を相談しました.その後,家族が来訪してから,再度全員で見学に行きました.

近いほうの学校は校庭が狭く,遠いほうの学校は広い校庭がありました.どちらの校長先生も信頼できる方に思えたので,大いに迷いましたが,結論として「同じように良いなら近い方」を取りました.どちらの学校もIBバカロレア資格の取得が可能なようです.どちらの学校も,ナーサリー(幼稚園)から高校までを備えた学校でした.

選んだ方の学校では,子供の入学前に学力チェックのための試験がありました.この試験の成績によって入学可否が左右されることはない,との話で,要は西欧言語がネイティブでない子供のケアプランを立てるためのもののようでした.ただし,試験の実施は「日本での通学先小学校で,教員の監督の下で行うこと」と指示され,テストの問題はPDFファイルで直接校長先生に送られました.我が子が日本で通う小学校はごく普通の公立校なのですが,誠に幸いなことに校長先生は英語が堪能で,担任の先生も快くご協力くださり,試験が実施できました.

イタリアのインターナショナルスクールは,基本的に「イタリア人のための英語学校」です.生徒のおよそ80%~90%がイタリア人で,休み時間はイタリア語が飛び交っているようです.授業料は年間で7,000ユーロ強が相場で,これに必要なら送迎バス代などが加算されます.はっきりいって,一般イタリア人にはとても払えない額ですので,おのずと客層はお金持ちに限られます.上層と下層がはっきり分かれる欧州,保護者会に行けば,兄弟3人をナーサリー(幼稚園)から通わせている,と涼しい顔で話すご婦人に出会えます.お迎え時間は,学校前の道路が高級SUVで溢れかえります.乗合バスで保護者会にやって来るのは,本当に我が家だけでした.

基本的に英語で過ごす学校・・・なのですが,そこはイタリア.事務のお姉さんたちにはあまり英語が得意でない人もいますし,保護者会ではイタリア語で説明がなされたりして,拙い英語のみが使える私には困ることも結構あります.でも,回りは紳士淑女の集まりですので,尋ねれば誰かが英語で説明してくれます.

2013年2月9日土曜日

学校(1):学制など

イタリアの学制は小学校から順に5・3・5制で,日本と少し異なります.公立学校の他,少数の私立学校や国際学校,外国人学校があります.我が家は子供が小学生だったので,通う小学校を探す必要がありました.

残念ながらベネト州には日本人学校はありません(イタリア全土でミラノとローマにしかない).まさか毎日特急で2時間かけて通うわけにも行きませんので,現地公立校か国際学校を探すことになります.

現地公立校は費用が基本的に無料です.ただ,基本言語がイタリア語ですので,短期滞在には向かないでしょう.私の受け入れ先の先生も「3年いるんなら現地校を進めるけどね・・・」と言っていました.それでも,移民が多いイタリア,学校によるものの外国人子弟に対するケアはかなりのレベルにある,とも聞きます.また,先生曰く,イタリアの学校教育は非常に良い,とのことでした.これまた学校によりますが,基本的に授業は昼過ぎで終了する代わりに,土曜日も授業があるようです.

我が家は事実上半年程度しか在学しないので,現地校ではなく国際学校を探すことにしました.なお,当初私は,滞在許可証を得てからでないと公立学校には入れないのではないか?と思っていましたが,そうでもない,という話を聞きました(未確認).

なお,イタリアでは小学校での留年もさほど稀ではありません.逆に,親が承認すれば,就学年齢到達の数か月前でも子供を小学校に入れることができます.これは一見,教育熱心な家庭向けの制度のように思えますが,実態は逆なのだそうです.共働きが多いイタリアの庶民は,子供を幼稚園(日本の保育園のような機能も持つ)に入れるのですが,それは義務教育ではないのでお金がかかるのです.早く公立の小学校に子供を入れてしまえば,その分のお金が浮く,そういうことなのだそうです.

2013年2月1日金曜日

パドヴァでの家探し(4)物件決定と契約

本記事は,当方の個人的な体験と主観的な意見を述べております.できるだけ具体性のある情報を,と思って記述しておりますが,特定の地域や物品,サービス等を宣伝したり毀誉する意図はございません.

物件決定と契約

イタリアでは,賃貸契約は基本的に大家さんと直接行います.日本では代理契約を結んでいる不動産屋さんも多いようなので,ちょっと雰囲気が違います.

私が依頼したエージェントは,紹介した物件(結局6件紹介してもらった)は全て直接見せてくれました.ほとんどの物件では,大家さんとも会いました.引き渡し時にセットされている家具はどれか,とか,洗濯機はどこに置くのか,など,直接条件を相談できる機会があるのは安心です.このとき,可能な限り研究室メンバーのイタリア人に同行をお願いして,通訳をしていただくと共にイタリア人としての印象を聞きました.

物件探しは,まずエージェントに電子メールで物件の写真や位置を連絡してもらい,それらを見分した後,メールで返答する,という形でした.最終的に物件を決めたら,オーナーと日程を調整して事務所に集まり,契約を行います.なお,エージェントに払う手数料は,日本と似ていて家賃1ヶ月分が相場です.

契約書は全てイタリア語で書かれているのですが,Google翻訳での英訳を付けてくれました.もちろん,不明に思うところは都度質問し,契約書にサインします.契約にあたっては,収入印紙4枚と,契約手数料,1回目家賃,敷金(デポジット)を支払うための小切手,税務上の契約者を特定するCodice Fiscialeを求められました.イタリアでは脱税防止の観点から,1,000ユーロ以上の現金決済が禁止されているそうで,小切手が用意できない場合はエージェントと相談して何らかの決済手段を見つける必要があります.

もっとも,私がお世話になったエージェントは「何とでもなるよ」と言っていましたが.

パドヴァでの家探し(3)家賃相場と物件数

本記事は,当方の個人的な体験と主観的な意見を述べております.できるだけ具体性のある情報を,と思って記述しておりますが,特定の地域や物品,サービス等を宣伝したり毀誉する意図はございません.

家賃相場と物件数

当然ですがチェントロは高く,その周辺は安くなります.また,チェントロは物件数が少なく,広域で探したほうが候補が多くなります.ただ,高級住宅街の場合,さほどチェントロと値段は変わらないようです.

当方が探した2012年5~9月時点ですと,家族で住める2ベッドルームタイプはチェントロでも月額家賃700ユーロぐらいからあります.設備や場所,家具付きか否かによって,当然のことながら価格が変わってきます.パドヴァでは,大抵のアパートメント(日本でいうマンション)は80平米以上の広さがあり,家族向け物件が多いといえます.単身者は複数人で1物件をシェアするようです.

おそらく,日本人家族がまあ満足して住む物件として,1000ユーロ出せればそれなりに選択肢があると思います(普通のイタリア人にとって月額家賃1000ユーロはとても高い).ただし,チェントロは物件数自体が限られているので,金額を多く設定したからといって,かならずしもたくさん物件が見つかる,というわけでもないようでした.

また,私は家具付きの物件を探しましたが,月額家賃1,200ユーロを超える物件はかえって家具付のものが少ないように感じました.高級物件は,自分のセンスで家具を選びたい,という借り手が多いのかもしれません.

家を借りる費用には,家賃の他に日本で言う管理費や光熱費,電気代が別途かかります.防犯上,管理人がいるアパートメントのほうが安心です.

なお,イタリアは9月が引っ越しシーズンだそうです.また,大家さんの多くは1年(以上)の契約を望むそうで,1年未満の短期だと断わられることもあります.

パドヴァでの家探し(2)物件の探し方

本記事は,当方の個人的な体験と主観的な意見を述べております.できるだけ具体性のある情報を,と思って記述しておりますが,特定の地域や物品,サービス等を宣伝したり毀誉する意図はございません.

物件の探し方

コネ社会のイタリア,可能であれば知人等に物件を紹介してもらえるとベストです.私は大学の住宅部のようなところから5月に1件紹介してもらいましたが,条件が合わず断念しました.その他,大学の事務方などに先生から「移動する人がいたら教えて」と言ってもらいましたが,残念ながら適当な物件紹介はありませんでした.

そこで,インターネットの不動産情報を探すことにしました.イタリアでも日本とよく似ていて,オンラインで物件を検索することができます.私はImmobiliare.it http://property-italy.immobiliare.it/ というサイトを使いました.地域等を選び,お好みの価格帯,面積,部屋数等を指定すれば物件を表示してくれます.

気に入った物件をいくつか選んで,サイトを通じて連絡を取りました.その際には,自分が日本人であること,大学に来ていること,家族であること,借りたい期間,などを書きました.

私は3件,異なるエージェントの物件に連絡を取ってみたのですが,残念ながら返事をくれたのは1件のみでした.外国人だから,あるいは短期だから嫌われたのか,それとも単に先方のやる気がないのか,それともエージェントの競合は許されないのか,今となってはわかりませんが,まあイタリアではそんなものなのでしょう.でも,返事をくれたエージェントは非常に親身に物件探しをしてくれて,満足できる物件を見つけられましたので,良しとしましょう.

なお,アメリカ人と日本人は金払いが良く,トラブルを起こしにくいので良好な顧客だ,という認識はあるようです.

パドヴァでの家探し(1)住みたい場所

パドヴァ暮らしに馴染んできたな,と感じはじめたと思ったら,もう帰国日が近づいてきました.記憶が確かなうちに,生活準備に関するあれこれについてまとめておこうと思います.

本記事は,当方の個人的な体験と主観的な意見を述べております.できるだけ具体性のある情報を,と思って記述しておりますが,特定の地域や物品,サービス等を宣伝したり毀誉する意図はございません.

住みたい場所


基本的にチェントロがベストでしょう.チェントロとは,旧城壁に囲まれたエリアです.パドヴァにおいて「チェントロの中心」はシニョーリ広場とラショーネ館のあたりで,下図の赤い星印の場所です.


青い色のエリアは,私が住みたいと思い,本気で物件を探したエリアです.市場,スーパーマーケット,カフェ,ショップ,レストランが多数あり,治安も良く,旧市街なのでイタリアらしさ(ヨーロッパの街並みらしさ)を強く感じることができます.ただし,駐車場は限られていて,月極めで借りる場合に300ユーロ程度するものもあるようです.

図の緑のエリアは,イタリア人の友人から「高級住宅街」として紹介されたエリアです.チェントロから見て南西部が該当するようです.また,南東部のフォルチェリーニ地区も高級住宅街のようです.ただし,ここまで来ると,車がないと不便でしょう(バスはあります).逆に,ガレージ付きセミデタッチドハウスなども期待できます.

逆に,避けたほうが良い,とされたのは駅付近,図の赤色エリアです.パドヴァは特別危険な場所,というのは無いのですが,駅付近の雰囲気が良くないのは欧米諸国に共通のようです.パドヴァでも移民の方は駅近辺に住むことが多いようで,まれにケンカなどの騒ぎもある,とのことでした.

また黄色のエリアも,家族で住むならよく考えるように,と言われました.このあたりはパドヴァ大学の建物が集中して建っていて,いわゆる学生街です.日中は賑やかなのですが,夜や休日は人通りが激減するため,念のため用心したほうが良い,とのことでした.

2013年1月12日土曜日

化け猫きたる

年始にトスカーナ地方へ出かけた我が家.交通の便がイマイチなサンジミニャーノなどを巡りたかったので,レンタカーを借り出しました.

予約ではコンパクトクラス(オペル・ベクトラやフォルクスワーゲン・ゴルフのクラス)をオーダーしていたのですが,やって来たのはミニバン.巨体にライオンマークも誇らしげな化け猫,プジョー5008でした.

レンタカー店のオジサンが「何人ででかけるの?」と聞いてくるような車.長さはともかく,幅は1837mmもあり,その大きさにビビりました.7人乗りですが,利用者は3名です.もちろんディーゼルで6段MTです.

おっかなびっくり運転して,結論としては無事に帰ってきたのですが,やはり大きな車体は気を使います.どうも欧州車は拡幅については寛容なようで,コンパクトといいつつ1800mm前後の車が多いです.これはおそらく,縦列駐車が一般的で長さのほうが使い勝手に効いてくることと,都市内は一方通行が多く「狭い道でのすれ違い」という事態があまりないからだろう,と想像しています.

日本で私の自宅があるエリアは,道路が狭いので有名なエリア.狭い道でのすれ違いが多い地域です.もっと積極的に一方通行を取り入れてくれればいいのに,とイタリアで化け猫君を運転して思います.

もっとも,並列に停める駐車場や,旧い建物を改装したホテルの駐車場は狭いことが多く,幅広の車だとドアが少ししか開けられなかったりして困ります.欧州車の拡幅もそろそろ止んで欲しいと思います.

2013年1月8日火曜日

ローマに行ってきました

せっかくイタリアに来たのだから,ローマには行っておかないと・・・

そういうことで,家族でローマに行ってきました.ローマというと,スリとか多そうでちょっと怖い,そんな印象を持って緊張の面持ちで旅立った我々でしたが,結論から言って非常に楽しく旅行できました.

パドヴァからローマまでは,直通特急で3時間半ほど.途中フィレンツェで進行方向が逆になります.私が切符を手配したときは「SuperEconomy」という割引席があり,家族3人でローマまで72ユーロでした.安い!

緊張の面持ちでローマ・テルミニ駅に降り立った我々は,まず近くの売店へ駆け込み,「ローマパス」を購入.詳しくは検索していただきたいのですが,1人30ユーロで3日間公共交通は乗り放題,有料観光施設は2件まで無料・優先入場,その他各種割引,というものです.子供割引が無いのは残念ですが,買って損のないパスだと思います.私たちはサンタンジェロ城とコロッセオ&フォロロマーノに無料入場(しかも並ばすに)できただけで元をとった気分です.

私達が述べるまでもなく,ローマは様々な観光スポットに満ちています.また,伝統ある大都会ということで,なんとなくパリのような雰囲気を感じたりもしました.

幸い晴天に恵まれて暖かく,12月ながら快適な観光を楽しめました.クリスマス後に訪問したこともあり,観光施設も町も比較的空いていて,不愉快な犯罪に会うこともなく過ごすことができました.ツイていただけかもしれませんが.

何か申し上げることがあるとすれば・・・ホテルは駅近くより,行きたい観光スポットの近くに取るほうが何かと便利で良いと思います.私たちはホテルを基地に,貴重品や買ったものは極力持ち歩かないようにしていました.私の印象では,イタリアの(正規の)タクシーは信用できるので,駅などとの移動はさっさとタクシーに乗ってしまうのが吉だと思います.

登りましたよサンピエトロ寺院のクーポラ.冬のせいか並び時間ゼロ.でも,足腰心臓の弱い方はやめておいたほうが良さそうな急階段の連続.それにしても,この巨大な建造物ときらびやかな装飾のお金はどこから・・・と考えると,複雑な気分になりますね.

夜のポポロ広場にて電飾バスを発見.営業しているわけではなく,ATAC(ローマの公共交通会社)の出し物みたい.大都会だけあって,レストランはどこも洗練された美味しさでした.それなりに「都会価格」ですけど.

ローマって大都会で,なんだかパリみたいな印象を受けました.街に大きな川も流れているし.夕刻の渋滞はかなりの盛り上がりを見せておりました.ダイナミックに路駐している車が多くて,車線が生きてない部分があるみたいです.